退職理由の例文は、「上司に伝える」「退職届に書く」「転職面接で答える」のどれかを先に選ぶと作りやすくなります。同じ事情でも、相手が必要とする情報が違うためです。
上司には退職の意思と日程、面接では辞めた背景と次の働き方を伝えます。一般的な自己都合退職の書面では「一身上の都合」とまとめる方法がありますが、退職勧奨・雇止め・健康上の事情などを、給付の手続きまで一律に隠すのは適切ではありません。使える条件を確認しながら、下の文例を自分の事実に置き換えてください。
更新:2026年9月29日。例文は編集部が作成した説明用の例です。実際の相談事例・成功事例ではありません。
契約内容・希望日・会社とのやり取りを整理してご相談ください。依頼前に対応範囲と費用をご確認ください。
どの退職理由の例文を使う?場面別の選び方
| 使う場面 | 伝える内容 | 読む場所 |
|---|---|---|
| 上司への最初の申し出 | 退職の意思・理由を一言・希望日 | 上司に伝える文例 |
| 退職届・退職願の理由欄 | 自己都合か、会社側の事情かを確認して記入 | 書面の文例 |
| 転職面接 | 退職に至った事実・今後の希望・応募先との接点 | 面接の文例 |
| 理由を詳しく聞かれる・引き止められる | 説明する範囲と、退職の意思を分ける | 質問への返答 |
| 離職票・雇用保険の手続き | 離職に至った実際の事情と確認資料 | 離職理由の確認 |
まだ辞めるか迷っていて、異動や勤務時間の調整で続けたい場合は、退職の通知ではなく改善の相談をします。「退職します」と伝えてから自由に撤回できるとは限りません。
例文を自分に合わせる3項目のメモ
立派な理由を探す前に、次の3つを短く書きます。複数の事情があっても、最初の説明では主な理由を1つに絞り、必要なら補足します。
事実:実際に何が起き、何が続けにくいのか 希望:今後どのような働き方・生活にしたいのか 伝える範囲:誰に、どこまで話す必要があるか
たとえば、夜勤が続いて家族の世話と両立できないなら、事実は「夜間の勤務が難しい」、希望は「日中の勤務」、上司に話す範囲は「家族のサポートが必要」まで、と整理できます。家族の病名や私生活の細部を全員に説明する必要はありません。
一方、「残業を減らしたい」を「実力主義で高い目標に挑戦したい」と置き換えると、希望と違う仕事につながることがあります。言い換えた後も、本当に避けたい条件が消えていないかを確認してください。介護・病気・転居・内定を、引き止めを避けるために作り話にする必要はありません。
上司に伝える退職理由の例文8パターン
まず「勤務についてお伝えしたいことがあります。個別にお話しできる時間をいただけますか」と場を設けます。以下は退職の意思が固まった人の文例です。希望日は、契約と社内手続きを確認したうえで入れます。
1.詳しい理由を言いたくない
一身上の都合により、退職する意思を固めました。○月○日を退職日として希望しています。 詳しい私的な事情は控えさせてください。必要な書類や引き継ぎについて確認させていただけますか。
理由を伏せる場合も、意思と希望日まで曖昧にしないことがポイントです。有期契約の途中退職など、事情の説明が必要な場合は下の契約別の確認へ進みます。
2.新しい仕事・専門分野へ進みたい
今後は○○の業務に取り組みたいと考え、退職を決めました。○月○日を希望しています。 これまで経験を積ませていただき、ありがとうございました。残りの期間の引き継ぎについて相談させてください。
具体的な目標がある場合に使います。転職先が未定なら、「内定がある」と付け加えないでください。
3.給与や評価制度を理由に辞めたい
今後の生活と働き方を考え、待遇面も含めて環境を変えると決めました。退職日は○月○日を希望しています。 今回の申し出は、条件変更の相談ではなく、退職の意思をお伝えするものです。
条件が改善すれば残りたい人は、最後の一文を使わず、まず希望条件と回答時期を相談します。「絶対に残らない」という文例を無理に使う必要はありません。
4.残業・夜勤・休日の条件が合わない
現在の勤務時間で働き続けることが難しく、働き方を見直すため退職を決めました。○月○日を希望しています。 退職日までの業務と引き継ぎの進め方を確認したいです。
実際には育児も介護もしていないのに、家庭の事情を足す必要はありません。未払い賃金などの問題がある場合は、伝え方とは別に勤務記録を保存します。
5.人間関係・ハラスメントがつらい
現在の職場で勤務を継続することが難しく、退職する意思を固めました。退職日は○月○日を希望しています。 詳しい経緯や必要な手続きについては、人事の担当者と個別に確認させてください。
相手がハラスメントの当事者なら、その人と二人きりで面談することにこだわりません。人事、上位者、社外の相談窓口など、安全に連絡できる相手を選びます。被害の事実を「すべて自分の能力不足」と認める文面に変える必要はありません。
6.体調不良で療養を優先したい
体調面から現在の勤務を続けることが難しく、療養を優先するため退職を希望しています。 希望日は○月○日です。今後の出勤の扱いと、退職に必要な手続きを確認させてください。
休職も検討中なら、「退職を希望」ではなく「休職を含む選択肢を確認したい」と伝えます。出勤できない日の連絡と退職日は別に確認してください。診断書の提出目的で迷ったら、診断書なしで体調不良退職を進める際の確認も参照できます。
7.介護・育児など家庭との両立が難しい
家庭のサポートが必要になり、現在の勤務条件で仕事を続けることが難しくなりました。 ○月○日を希望日として退職を申し出ます。私生活の詳細は、手続きに必要な担当者の範囲でお伝えしたいです。
休業や短時間勤務で続けたい気持ちがある場合は、利用できる制度と勤務条件を先に確認します。制度の申請では、必要な事実や資料を担当者に伝えます。
8.転居で通勤が難しくなる
○月に転居する予定があり、現在の職場への通勤を続けることが難しくなるため、退職を決めました。 ○月○日を希望しています。退職後の書類の送付先も、決まり次第担当者へお伝えします。
転居の予定が事実である場合の文例です。会社が承諾することや、引き止めがなくなることを保証する文言ではありません。
退職届・退職願・履歴書にはどう書く?
一般的な自己都合退職の退職届
退職届 このたび、一身上の都合により、○年○月○日をもって退職いたします。 ○年○月○日(提出日) 所属部署・氏名 会社名・代表者名 殿
退職する日と、書面を提出する日は別です。社内の書式・提出先・押印などの手続きを確認し、提出した内容と到達を確認できる記録を残します。
退職願で合意を求める場合の例は「○年○月○日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます」です。退職願と退職届は名前だけで効果が決まるわけではなく、意思表示の内容や経緯が重要です。撤回や退職日の争いがある場合は、自分だけで法的効果を決めずに相談してください。
会社から辞めるよう言われた場合は、そのまま使わない
退職勧奨に応じる場合、解雇、会社側による契約の更新拒否などを、一般的な自己都合退職の文例に当てはめないでください。たとえば退職勧奨に応じる書面は、その経緯を残したうえで内容を確認します。
今回の退職は、○月○日に会社から受けた退職勧奨に応じるものと認識しています。 退職理由と退職条件を確認したうえで書面を提出したいため、記載内容をご案内ください。
自分に辞める意思がない人が、この文例を送って退職に同意する必要はありません。署名前に条件を確認し、納得できない場合は相談します。
履歴書の職歴欄
自ら辞めた場合は「一身上の都合により退職」、契約期間が満了した場合は「契約期間満了につき退職」など、経緯に合う短い記載にします。会社の倒産などを自発的な転職に書き換えたり、在籍期間を延ばしたりしないでください。詳細な事情は、必要に応じて面接で説明します。
契約内容・希望日・会社とのやり取りを整理してご相談ください。依頼前に対応範囲と費用をご確認ください。
転職面接の退職理由は「事実→希望→応募先」で答える
面接では、会社への退職申し出と同じ「一身上の都合」だけでは、応募先との相性が伝わりにくくなります。長い不満の説明にせず、何が続けにくかったか、今後何をしたいか、その会社で何を確認したかをつなぎます。
| 理由 | 面接の回答例 | 使う前の確認 |
|---|---|---|
| 給与・評価 | 前職では○○を担当しました。担当範囲に対する評価の見通しを持ちにくく、評価基準を確認できる環境で経験を生かしたいと考えています。御社の○○職について、役割と評価の仕組みを伺いたいです。 | 成果主義を望まないのに「完全歩合で挑戦したい」と言わない |
| 長時間労働 | 前職では○○業務で時間外の対応が続き、長期的に働き続けるため勤務体制を見直したいと考えました。○○の経験を生かしつつ、通常期・繁忙期の働き方を確認して応募しています。 | 確認していない残業時間を「御社は少ない」と断定しない |
| 人間関係 | 前職では担当間の情報共有が難しく、業務を進めるうえで課題を感じました。今後は役割と相談先を確認できる環境で、○○の経験を生かしたいと考えています。 | 事実が情報共有の問題でないなら別の表現へ。被害を無理に美化しない |
| 仕事内容・専門性 | 前職では○○を経験し、今後は△△を継続して担当したいと考えるようになりました。御社の求人にある□□業務と、自分の○○経験の接点を感じて応募しました。 | 担当できる業務が求人・面接の説明と合うか |
| 家庭の事情 | 家族のサポートのため、前職の勤務形態を続けることが難しく退職しました。現在は平日○時から○時まで勤務できる体制です。この時間帯で○○の経験を生かしたいと考えています。 | 実際の対応可能時間、残業・急な呼び出しへの対応 |
| 体調不良 | 体調を崩して療養のため退職しました。現在可能な勤務条件は○○です。業務内容を確認し、継続して働ける条件を相談したいと考えています。 | 回復・就業可能性は実態に合わせる。確認なく「完治・制約なし」と言わない |
| 会社の倒産・事業縮小 | 会社の事業縮小に伴い、所属部門が閉鎖されて退職しました。前職で担当した○○の経験を、御社の△△業務で生かしたいと考えています。 | 倒産・閉鎖・契約終了など実際の経緯と一致させる |
文例の○○を埋める材料がなければ、実績や改善活動を創作せず、実際に担当した仕事を一つ書きます。数字を入れるのは、説明できる事実があるときだけです。
短期離職・理由が思いつかない場合の整え方
入社前の説明と仕事内容が違った場合
入社前には○○業務が中心と説明を受けましたが、実際には△△業務が主となり、今後目指す分野との違いがありました。 次の職場では担当業務と変更の範囲を事前に確認し、○○の経験を継続して積みたいと考えています。
労働条件が実際に違ったのに、すべて「自分の確認不足でした」と認める必要はありません。説明と実態の差を具体的にし、雇用契約書と実際の条件が違うときの資料整理も行います。
合わないと感じて辞めたが、うまく説明できない場合
「いつ辞めたいと思ったか」「その日に何があったか」「同じ状況を避けるため次の職場に何を確認するか」を一つずつ書きます。たとえば曖昧な指示が負担だったなら、次の会社で教育担当・相談先・仕事の割り振りを確認する、という具体策につなげられます。
まだ理由が整理できない段階で「夢を実現するため」と作り込むより、「働き方を見直すために退職し、現在は○○を重視して求人を比較しています」と、今整理できている範囲を伝えます。短期離職の面接では半年で辞めたいときの判断と準備も参考になります。
深掘り・引き止めへの返答例と、その後の動き
| 聞かれたこと | 返答例 | その後 |
|---|---|---|
| 本当の理由を全部話して | 私的な事情の詳細は控えたいです。手続き上必要な事項と、提出先を教えてください。 | 必要な資料は担当者の範囲で確認 |
| 給与を上げるから残って | ご提案ありがとうございます。退職の意思は変わりませんので、日程と引き継ぎを確認させてください。 | 意思が固い場合だけ使う。迷うなら検討期限を決める |
| 後任が決まるまで辞めないで | ○月○日を希望しています。現時点の業務一覧と引き継ぎ資料を作るので、受け取る担当者をご指定ください。 | 担当未定でも上司へ一覧を送り、無期限の延長を約束しない |
| 次の会社はどこ? | 現時点では社名の共有を控えたいです。入社予定日との調整が必要な事項はお伝えします。 | 守秘・競業など契約上の確認は別に行う |
| 面接:前職で改善を試みた? | ○○について相談しましたが、△△の事情で変更には至りませんでした。 | 実際にした行動だけ答える。相談していないなら作らない |
| 面接:また同じ理由で辞めない? | 今回は○○の勤務条件と相談体制を確認して選んでいます。入社後も課題があれば、まず担当者へ相談したいと考えています。 | 不明な条件は逆質問で確認し、絶対辞めないと約束しない |
改善の相談をしないまま辞めた場合は、たとえば「当時は具体的な改善相談まではしていません。現在は○○を重視しており、同じ条件の不一致を避けるため、応募時に△△を確認しています」と、していないことと今の行動を分けて説明できます。相談できなかった事情がある場合も、無理に自分だけの責任とする必要はありません。
返答をしても取り合ってもらえない場合は、いつ誰に意思を伝えたかを残し、人事などの正式な窓口へ手続きを確認します。退職を言うこと自体が怖い場合は、最初の連絡と引き止めへの対応も確認してください。
「一身上の都合」で済ませる前に確認したい契約と離職理由
契約によって、退職の進め方は異なる
期間の定めのない雇用では、民法627条の原則として、申し入れから2週間で終了する仕組みがあります。社内の手続きと引き継ぎも確認しますが、会社が同意しなければ永久に辞められないわけではありません。大阪労働局の退職に関する説明を参照できます。
有期契約の途中退職は、合意ややむを得ない事情などの確認が必要で、「一身上の都合」と書けばいつでも即日辞められるという意味ではありません。契約社員の途中退職の条件で契約を確認します。公務員・業務委託も同じ手続きではありません。
会社への簡潔な説明と、雇用保険の事実確認を分ける
退職勧奨、ハラスメント、長時間労働、健康状態などが離職に関係した場合は、日付・経緯・勤務記録・やり取り・必要な医療資料を残します。「会社とは穏便に話したい」という事情があっても、公的な手続きで事実と異なる説明をする必要はありません。
- 離職前に離職証明書の理由を確認し、相違があれば具体的に伝える。
- 離職票が届いたら、会社の記載が自分の認識と合っているか確認する。
- 違う場合や会社と解決しない場合は、経緯が分かる資料を持ってハローワークへ相談する。
離職理由はハローワークが事実関係を確認して判定します。退職届の一言だけで全てが決まるわけではありませんが、記載を後から説明できるように資料を残しておきます。退職勧奨なのに自己都合とされた場合の厚労省の案内も確認できます。
体調不良の場合、離職理由の区分と「今すぐ働ける状態か」は別の条件です。働けない状態なら、基本手当の受給を当然視せず、受給期間の延長など必要な手続きをハローワークに相談してください。
退職理由の例文についてよくある質問
退職理由は一身上の都合だけでもよいですか?
一般的な自己都合退職の書面で使われる表現です。ただし有期契約の途中退職や会社からの退職勧奨、雇用保険の離職理由の確認などは、実際の事情を別に確認する必要があります。
退職理由として病気や介護の嘘をついてもよいですか?
作り話をする必要はありません。詳細を控えたいならその旨を伝え、退職の意思と希望日を明確にします。手続きに必要な事実や資料まで偽らないでください。
上司と面接官に同じ例文を使えますか?
同じ事実を基にしても、説明する目的が異なります。上司には退職の意思と日程、面接官には退職の背景と次の職場で実現したい働き方を伝えます。
会社から辞めるよう言われたら退職届を書きますか?
辞める意思がないのに退職届を書く必要はありません。退職勧奨に応じる場合も、経緯と条件を確認し、一般的な自己都合退職の文例をそのまま使わないようにします。
退職理由を説明できないほどつらい場合は?
対面にこだわらず書面や連絡窓口の変更、外部への相談を検討します。体調のため出勤できない場合は欠勤等の連絡と退職の手続きを分け、必要に応じて医療機関にも相談してください。
使う例文を選んだら、意思・日付・事実を点検する
- まだ相談中なのか、退職の意思が固いのかを文面で区別した。
- 希望日を契約・就業規則・必要な手続きと照らした。
- 病気・介護・内定・実績など、事実でない設定を入れていない。
- 相手に質問されたときの返答と、次の連絡先を決めた。
- 離職理由の確認に必要な記録を、説明用の言い換えと分けて残した。
直接話す負担が大きい場合は、書面や担当窓口の変更、外部への相談を検討します。連絡を代行してもらう場合も、理由や契約の確認、本人が行う手続きは残ることがあります。依頼前に誰が何を担当し、交渉や書類の支援がどこまで含まれるかを確認してください。
契約内容・希望日・会社とのやり取りを整理してご相談ください。依頼前に対応範囲と費用をご確認ください。





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