退職時に損害賠償で脅された…実際に請求される?弁護士が解説する対処法【弁護士監修】






退職時 損害賠償で脅された時の対処法5選【弁護士監修・2026年最新】







最終更新: 2026年9月12日 | 弁護士監修

退職時 損害賠償で脅された時の対処法5選【弁護士監修・2026年最新】

結論:退職を理由に損害賠償が認められるケースは、裁判実務上ほぼゼロです。
会社からの「損害賠償を請求する」という言葉は、退職を思いとどまらせるための”脅し文句”であることがほとんどです。退職代行ガイドに寄せられたLINE相談78,690件のデータをもとに、正しい対処法を弁護士監修で解説します。

📌 先にお答えします
退職時に「損害賠償を請求する」と会社に言われても、99%以上のケースで実際に請求されることはありません。労働基準法第16条は損害賠償額の予定を禁じており、退職という正当な権利行使で会社が損害賠償を取ることは法的に極めて困難です。脅されてもパニックにならず、このページで正しい対処法を確認してください。

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退職時に損害賠償で脅された…実際に請求されるの?

「退職したら損害賠償を請求する」と上司や会社に言われ、頭が真っ白になった経験はありませんか?退職代行ガイドのLINE相談窓口には、毎月数十件このような相談が届きます。

まず知っておいていただきたいのは、退職という正当な権利行使に対して損害賠償が認められた裁判例はほぼ存在しないという事実です。

法的な根拠
日本国憲法第22条第1項は「職業選択の自由」を保障しています。労働基準法第16条は「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めており、退職を理由とした損害賠償の脅しは法律に反する行為です。

また、民法第627条により、正社員(無期雇用)は2週間前に申し出れば退職できる権利があります。これは会社側の同意がなくても行使できる、労働者の基本的な権利です。

退職代行ガイドのLINE相談データを分析すると、「損害賠償で脅された」という相談のうち実際に訴訟に発展したケースは0件でした。脅しはあくまで退職を思いとどまらせるための心理的プレッシャーである場合がほとんどです。

会社が損害賠償を請求できる「本当の条件」

ただし「絶対に請求されない」とは言い切れません。以下の条件がそろった場合、会社が損害賠償を請求してくることがあります(ただし認められるかは別問題です)。

会社が損害賠償を請求できる可能性がある行為

  • 競業避止義務違反:退職後に競合他社へ転職し、顧客を大量に引き抜いた場合
  • 機密情報の漏洩:会社の機密データや顧客情報を持ち出した場合
  • 故意の業務妨害:退職時に意図的にシステムを破壊したり、業務を混乱させた場合
  • 横領・不正行為:在職中に横領などの不正行為があった場合
⚠️ 注意:引き継ぎ不備は原則として損害賠償の対象外
「引き継ぎをしないで辞めた」だけでは、裁判で損害賠償が認められることはほとんどありません。会社側が「業務上の混乱が生じた」と主張しても、その混乱を具体的な金銭的損害として証明するのは極めて難しいためです。

裁判例を見ると、競業行為により顧客36件を解約させた事案でも、会社が約437万円を請求したのに対し、裁判所が認定したのは120万円のみでした。それほど損害賠償の証明は困難です。

LINE相談データから見た脅し文句パターン5選

退職代行ガイドのLINE相談78,690件のデータから見えてきた、会社がよく使う「脅し文句のパターン」をご紹介します。これらのほとんどは法的根拠のない”ブラフ”です。

パターン①「損害賠償を請求する」

「急に辞めたら会社に損害が出る。それを請求するから覚悟しておけ」と言われました…
✅ 対処法:法的根拠のない脅しです。退職届を提出し、2週間後に退職できます。弁護士に相談することで脅しをやめさせることも可能です。

パターン②「懲戒解雇にする」

「勝手に退職したら懲戒解雇扱いにする。そうしたら次の就職に影響が出るぞ」と言われました。
✅ 対処法:正当な退職は懲戒解雇の対象にはなりません。仮に懲戒解雇とされた場合でも、その処分が無効であることを争うことができます。

パターン③「離職票を出さない」

「辞めるなら離職票は絶対に出してやらない。失業保険がもらえなくなるぞ」と言われました。
✅ 対処法:離職票の交付は会社の法的義務です(雇用保険法第76条)。拒否した場合はハローワークへ申告することができます。

パターン④「退職金を払わない」

「こんな辞め方をしたら退職金はゼロだから。規定でそうなっている」と言われました。
✅ 対処法:就業規則に退職金規定がある場合、正当な理由なく不支給にすることはできません。内容を確認し、必要なら弁護士に相談しましょう。

パターン⑤「SNSで悪評を流す」

「お前が急に辞めたことを業界中に広めてやる。転職できなくなるぞ」と言われました。
✅ 対処法:これは名誉毀損・業務妨害にあたる可能性があります。逆に会社側が訴えられるリスクを抱えています。証拠(録音・メッセージ)を残しておきましょう。

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「損害賠償で脅す会社」はパワハラになる?

法的根拠のない損害賠償の脅しは、職場のパワーハラスメント(パワハラ)に該当する可能性があります。

厚生労働省が定めるパワハラの6類型のうち、「精神的な攻撃」(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)に当たります。2020年の改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)により、会社はパワハラ防止措置を講じる義務があります。

✅ パワハラとして認定されると会社側のリスク

  • 都道府県労働局から是正指導・勧告を受ける
  • 企業名の公表(悪質な場合)
  • 慰謝料の支払い義務が生じる可能性
  • 刑事責任(脅迫罪・強要罪)が問われる可能性

つまり、損害賠償で脅してくる会社は、逆に法的責任を負うリスクがあるのです。証拠となる録音や文書(メール・LINEメッセージ)は必ず保存しておきましょう。

脅されたときの正しい対処ステップ

  1. 冷静になる(パニックにならない)
    損害賠償の脅しは、退職を思いとどまらせるための心理戦です。まず深呼吸して、「これは脅しである可能性が高い」と認識しましょう。
  2. 証拠を保全する
    脅し文句が書かれたメール・LINEのスクリーンショット、録音データを保存します。日時・場所・言われた内容をメモに残しておくと後で役立ちます。
  3. 就業規則・労働契約書を確認する
    損害賠償に関する条項が本当にあるか確認します。あったとしても、労基法16条に反する条項は無効です。
  4. 弁護士または退職代行に相談する
    一人で抱え込まないことが最重要です。弁護士への相談は初回無料のことが多く、具体的なアドバイスをもらえます。退職代行を使えば会社との交渉を全て任せられます。
  5. 退職届を提出・退職する
    弁護士や退職代行と連携しながら、正式に退職手続きを進めます。脅しを受けたからといって退職を諦める必要はありません。

退職代行を使えば脅しに対処できる理由

「損害賠償で脅されている」という状況で、自分一人で会社と交渉するのは精神的に非常に消耗します。退職代行、特に弁護士が行う退職代行を利用すると、以下のメリットがあります。

  • 直接交渉が不要:会社との連絡を全て退職代行が代わりに行うため、脅し文句を直接聞かなくて済みます
  • 法的根拠をもとに脅しを抑止:弁護士が「その主張に法的根拠はない」と明確に伝えることで、会社の脅しを封じられます
  • 損害賠償請求が来た場合も対応可能:弁護士法人の退職代行なら、万が一本当に訴えてきた場合も継続サポートできます
  • 精神的な安心感:専門家がついているという安心感で、冷静に退職手続きを進められます
弁護士法人が運営する退職代行を選ぶべき理由
民間の退職代行業者は会社と「交渉」することができません(弁護士法72条により非弁行為として禁止)。損害賠償の脅しへの対処には、交渉権を持つ弁護士法人の退職代行を選ぶことが重要です。

弁護士に相談すべき5つのサイン

以下に当てはまる場合は、早めに弁護士(または弁護士が運営する退職代行)に相談することをおすすめします。

  1. 会社から損害賠償の金額を具体的に提示された
  2. 内容証明郵便が届いた
  3. 会社から訴訟予告を受けた
  4. 退職後もしつこく連絡が来ている
  5. 給与や退職金の支払いを拒否されている

これらのサインがある場合でも、実際に損害賠償が認められる可能性は低いですが、弁護士がついていることで会社が方針を変えるケースは多くあります。一人で悩まず、まずは相談してみてください。

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よくある質問(FAQ)

退職時に損害賠償で脅された場合、実際に請求されますか?
実際に損害賠償が認められるケースは裁判実務上ほぼゼロです。ただの退職では会社側に具体的な損害を証明できないため、脅し文句として使われることがほとんどです。労働基準法第16条では損害賠償額を予め定める契約を禁止しており、退職を妨げることは違法になります。

損害賠償で脅す行為はパワハラになりますか?
法的根拠のない「退職したら損害賠償を請求する」という言動は、職場のパワーハラスメントに該当する可能性があります。厚生労働省のパワハラ6類型のうち「精神的な攻撃」に当たるケースが多く、会社側が逆に責任を問われる可能性があります。

引き継ぎをしないで退職したら損害賠償を請求されますか?
引き継ぎ不備だけで損害賠償が認められた裁判例はほとんどありません。会社側が「業務上の混乱があった」と主張しても、それが法律上の損害として認定されるには具体的な金銭的損失の証明が必要です。退職代行を利用すれば引き継ぎ対応も代行してもらえます。

退職代行を使うと損害賠償リスクが上がりますか?
弁護士が行う退職代行であれば、法律の範囲内で適切に退職手続きを進めるため、損害賠償リスクが上がることはありません。むしろ弁護士が交渉の窓口になることで、会社からの不当な脅しを法的に抑止できます。

損害賠償で脅されたとき、弁護士に相談する費用はいくらですか?
弁護士への初回相談は無料の場合が多いです。弁護士法人が運営する退職代行サービスであれば、退職代行の依頼と同時に損害賠償の脅しへの対処も一括して依頼できます。費用は一般的に3万〜5万円程度が相場です。

退職代行ガイド編集部(弁護士監修)
退職代行ガイドは弁護士法人が監修する退職・労働トラブル情報メディアです。LINE相談窓口への累計相談78,690件のデータをもとに、退職に悩む方へ正確な情報をお届けしています。「退職代行で失敗しない選び方」から「残業代・退職金の請求」まで幅広く情報発信中。


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