歯医者として働いている方は、長く同じ職場で働いていた暁には、相応の退職金が貰えるものだと期待してしまいがちです。しかし、実は個人経営の歯科医院で働いている歯医者の方は、ほとんど退職金を受け取ることはできません。今回は歯医者の退職金事情と考え方をご紹介します。
目次
歯医者の退職金はどのくらい貰える?ゼロの可能性も……
まず、法律的に説明すると、歯医者が退職金を受け取ることができるか否かは、歯科医院が退職金制度を設けているかどうかによります。退職金の制定は企業(この場合は歯科医院)が決めることができるのですが、実際家族経営の小規模歯科医院は、歯医者の定着率も低く、売上もそこまで高くないため、退職金は設定していない場合が多いです。
仮に退職金を貰えたとしても、一般企業のような1000万といった金額は貰うことはできません。退職金は3年目から出るのが普通ですが、勤続年数問わず退職金の金額は下は5万円、上は50~60万円程度しかありません。これは仮に勤続20年だったとしてもです。
歯医者は退職金のために中小企業退職金共済に入るべき?
町の診療所や歯医者は家族経営となるので、歯医者に何百万円もの退職金を払う余裕はありません。そのため、歯科医院の中には中小企業退職金共済に加入し、歯医者に毎月定額のお金を支払ってもらい退職時に支払った金額を上回る退職金を得られる制度を利用するところも少なくありません。
しかし、この中小企業退職金共済を利用しても、やはり満足行く退職金を得ることは難しいです。毎月の掛け金は数千円から数万円と自分で設定することができ、また退職金は退職後に中小企業退職金共済から直接支払われるので、仮に歯科医院が潰れてしまっていたとしてもしっかりと受け取ることができます。しかし、これはあくまでも積み立て金と言う要素が強いので、受け取ることができても100万円を超えるのは難しいのが現状です。
歯医者は退職金をあてにはしないで!歯医者がとるべき選択肢とは
ご覧のように、歯医者は退職金をあてにすることはできなさそうです。では、歯医者は退職金で生活するのではなく、どのような将来、キャリアを選択すればいいのでしょうか。
歯科医院を開業するのが歯医者のキャリアとして最もおすすめ!
歯科医院を開業するにあたっては、5000~7000万円の費用が必要と言われていますので、歯医者としてキャリアを積みながら、この費用を貯蓄することを目標にしましょう。もちろんすべて賄うことはおそらくできないので、あとは銀行から融資を得ることになります。
歯医者が自分の歯科医院を開業すると、自分が社長となるので、退職金などなくとも収入が入ってきますし、人を雇えば自分が働く必要もなく、「お金を回収しに歯科医院に立ち寄るだけ」といった歯医者のオーナーも少なくありません。軌道に乗れば支店を増やすことも可能なので、歯医者としてよりも事業運営者として才覚を発揮することができます。
大学病院・総合病院の歯医者として働けば退職金も十分に出る
大学病院や総合病院の歯医者として20年ほど働けば、500万円程退職金として受け取ることができます。いずれも全国の9割の病院が退職金を設定しているので、歯医者としては安心して働くことができるはずです。ただし、これらの病院は規模が大きいので、町の歯科医院にはない派閥やしがらみがあることも忘れてはいけません。
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