根強い看護師のパワハラ問題。労働基準監督署に相談するとどうなる?

根強い看護師のパワハラ問題。労働基準監督署に相談するとどうなる?

看護師で働いている人の中には、医師や上司からパワハラを受けている人が全国で大勢います。パワハラの解決のために労働基準監督署に相談をすることもできるのですが、実際効果はあるのでしょうか。今回は看護師が労働基準監督署に相談する際の注意事項をご案内します。

貴方だけじゃない!全国には大勢のパワハラに悩む看護師がいる

貴方だけじゃない!全国には大勢のパワハラに悩む看護師がいる

全国には大勢のパワハラに悩む看護師がいます。パワハラをする相手は医師かと思いきや、実は圧倒的に多いのは職場内の看護師の上司。役職で言えば主任の人が新人いじめをしたり、後輩を主任に昇格させないようにパワハラを働く人が多いようです。ただし、医師によるパワハラも少なくはありません。看護師は医師の指示に従い事務的な役割をこなしますが、パワハラやセクハラ体質の医師に悩んでいる方もいます。基本的に自分が就く医師は固定される場合が多いので、医師一人によって自分の看護師としての働きやすさが大きく変わってくるのが問題となります。

看護師長に言えば、パワハラの問題は解決する?

看護師長に言えば、パワハラの問題は解決する?

看護師の主任からパワハラを受けている場合、主任のさらに上に立つ師長に相談することができます。しかし、看護師長にパワハラの相談をしても、中々解決には至らないことがほとんどです。看護師長の上には看護部長がいて、現場を任されている看護師長からすると、余計な波風は荒立てたくないというのが本音。看護部長は病院長の補佐的な役割もある高い地位の人なので、看護師長であってもおいそれと意見できる立場にはありません。そのため、看護師からパワハラを受けていると報告があっても、トラブルをもみ消そうとする看護師長が多くいるのが実情です。

パワハラや違法労働の駆け込み寺。労働基準監督署とは?

パワハラや違法労働の駆け込み寺。労働基準監督署とは?

パワハラに我慢できない看護師は労働基準監督署に行くべきなのでしょうか。まず、そもそも労働基準監督署とはどんな組織かをご説明したいと思います。労働基準監督署は厚生労働省の出先機関の1つとなります。労働基準監督署は一般的には「労基」と略されることの方が多いですね。労働基準監督署は労働法の取り締まりを主事業としており、労働法に会社が違反していないかどうかを監査する重要な機関です。パワハラを受けていたり、36協定を超えるような過酷な労働環境で働いている人にとっての駆け込み寺として知られています。

>>都道府県別労働基準監督署の所在地:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/location.html

看護師のパワハラ問題。労働基準監督署に相談するとどうなる?

看護師のパワハラ問題。労働基準監督署に相談するとどうなる?

病院の職場は想像以上に肩身が狭いです。一度先輩や主任からパワハラのターゲットにされたら、まず助けてくれる人はいません。そうやって1年から2年以内に退職に追い込まれる看護師がたくさんいるのが現実です。では、パワハラを解決したい看護師は、労働基準監督署に行くことで解決できるのでしょうか。

まず、労働基準監督署は対応の遅い役所仕事と思ってはいけません。パワハラを含む労働法に違反している民間企業に対しては、告発を受けたら積極的に介入してくれます。しかし、それはあくまでも「会社が労働法に明確に違反している場合」に限ります。そこらへんの融通が利かないのも役所らしいですが、ここで知ってほしいのは「パワハラの解決及び労働基準監督署の介入には、必ず証拠が必要となる」ことです。単に「看護主任からパワハラを受けています」と言っただけでは、労働基準監督署はどうすることもできないので動くことはできません。「証拠を集めてください」と言われて電話を切られてお終いでしょう。

フリーランスの看護師のパワハラ問題。労働基準監督署に頼れる?

ちなみに昨今増えているフリーランスの看護師。フリーランスは一般的に有期雇用の業務委託契約となりますので、労働法の適用外となります。そのため、労働基準監督署に連絡しても、なかなか相談にのってくれないかもしれません。フリーランスとして働く看護師の方にとっての労働基準監督署は、「フリーランス・トラブル110番」があります。厚生労働省の管轄ですが、出先機関ではなく第二東京弁護士会が受託しています。弁護士なので法的問題に強く、パワハラにも積極的に相談にのってくれますので、一度連絡してみるといいでしょう。

>>フリーランス・トラブル110番の公式HP:https://freelance110.jp/

パワハラを受けている看護師が労働基準監督署に連絡する前にやるべきこと

パワハラを受けている看護師が労働基準監督署に連絡する前にやるべきこと

パワハラを解決したい場合、看護師は労働基準監督署に連絡をする前に、必ず「パワハラの証拠」を集める必要があります。これは、弁護士に依頼したとしても同じ。パワハラを告発する場合は、「物的な証拠」もしくは「証言」が必要となります。物的な証拠は下記となります。

  • 音声の録音
  • 動画
  • 日時と詳細が記載されている日記
  • メールなどのパワハラの文章
  • 身体的・精神的攻撃を受けた場合の病院にかかった際の診断書

看護師のパワハラの証拠に証言がおすすめできない理由

看護師のパワハラにおいて、証言はあまり有効ではありません。看護師の職場は狭いですし、すぐに噂が立つので、「パワハラを証言して!」と同僚に頼んでも、同僚は自分が次のパワハラのターゲットになることを恐れて、証言をしてくれなかったり、また逆に自分が避けられるようになって職場内で孤立してしまう可能性も高いです。また、慰謝料などの訴える問題に発展した場合も、証言者が圧力をかけられて当初予定していた証言をしてくれなかったり、逆にパワハラをしていた主任などが、逆の証言をする人を呼ぶこともあり得ます。なぜなら病院側としては、評判を落とすパワハラ行為はあってはならないことなので、そう簡単に認めることはできないからです。

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