運送ドライバーの長時間労働に限界だった30代男性が退職代行を使った話【モデルケース】

運送ドライバーの長時間労働に限界だった30代男性が退職代行を使った話【モデルケース】

※本記事は実際の相談傾向をもとに作成したモデルケースです。特定の個人・企業とは関係ありません。
運送会社でドライバーとして4年間働いた30代男性が、長時間労働と身体の限界を理由に退職代行を使って辞めるまでの話です。「辞めたいと言ったら仕事が増やされた」「体が動かなくなってから気づいた」——そんな状況から抜け出すまでの経緯をまとめました。

📋 この記事のモデルケース

業種 運送業(トラックドライバー)・正社員
雇用形態 正社員
年代・性別 30代後半・男性
勤続年数 4年
主な悩み 長時間労働・休憩が取れない・身体への負担
退職方法 退職代行(弁護士法人)を利用

運送ドライバーとして働いていたころの状況

私は30代後半で、地域の中小運送会社でトラックドライバーとして働いていました。入社したのは前の仕事が体力的に楽すぎて物足りなかったこと、それとドライバーは稼げると聞いていたことがきっかけでした。免許も持っていましたし、一人で黙々と仕事ができる職場という点も自分に合っていると思っていました。

最初の1年は、それなりに順調でした。先輩ドライバーに教えてもらいながら、ルートを覚えて、納品先との関係も少しずつ築いていきました。体力には自信がありましたし、多少きつくても続けられると思っていました。

問題が本格的に始まったのは、2年目あたりから人手が減り始めてからです。ベテランのドライバーが立て続けに辞め、残った人間で穴を埋める形になりました。一人あたりの配送量が増え、出発時間は早くなり、帰着時間は遅くなりました。

それでも最初のうちは「今だけ」と思っていました。誰かが入れば落ち着くと思っていました。でも、新しい人はなかなか入らず、入っても早期に辞めていき、「今だけ」はずっと続きました。

限界を感じた瞬間

本当に限界だと感じたのは、ある夏の日のことでした。その日の乗務は朝4時出発で、終わったのが夜の10時を過ぎていました。休憩はほとんど取れていませんでした。途中で荷物が増え、ルートが変わり、納品先でのトラブルもありました。

帰りの最後の区間、高速道路を走っていたとき、信号待ちでもないのに気づいたら目が閉じていました。数秒のことだったと思います。でも、その瞬間のことは今でも忘れられません。

ハンドルを握ったまま眠りかけていた。気づいたとき、体が震えました。このまま続けていたら、自分だけじゃなく誰かを巻き込むかもしれない、と初めてリアルに思いました。

会社に戻ってから、所長に「少し休ませてほしい」と話しました。すると「みんな同じ条件でやってるから」「急に言われても困る」と言われました。改善の話は出ませんでした。むしろ翌週からさらに1ルート追加されました。

腰も慢性的に痛くなっていました。荷物の積み下ろしで無理をしていたのが積み重なっていました。整形外科に行くと「このまま続けていたら悪化する」と言われましたが、休める状況ではありませんでした。痛み止めを飲みながら運転する日が続きました。

休みは月に4日あるかどうかでした。休みの日も翌日の準備や書類仕事があり、完全に休める日はほとんどありませんでした。家族から「顔色がおかしい」と言われるようになりました。自分でも、鏡を見るたびに老けていく気がしていました。

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退職を言い出せなかった理由

正直に言えば、辞めたいという気持ちは1年以上前からありました。でも、退職を切り出せずにいました。

理由はいくつかありました。まず、辞めたら残る人間がさらに大変になるという罪悪感です。もともと人手が足りていない状況でした。自分が抜けたら、同じ職場の仲間に負担がかかります。それが分かっているから、「もう少し待てば誰か入るかもしれない」と先延ばしにしていました。

もう一つは、所長の反応が怖かったことです。過去に別のドライバーが退職を申し出たとき、「無責任だ」「損害賠償を請求する」と言われたことがありました。本当に請求されたかどうかは知りませんが、その話が頭に残っていました。自分が同じことを言われる場面を想像するだけで、体が固まりました。

夜中に「退職代行」という言葉を検索したのは、体で眠りかけるあの出来事があってからです。最初は「自分が使うものではない」と思っていました。でも、調べていくうちに、弁護士法人が間に入って退職の手続きを代わりにやってくれること、損害賠償の脅しにも対応できることが分かりました。

「損害賠償を言われるかもしれない」という不安が、ずっと退職を踏みとどまらせていた大きな理由でした。弁護士法人が対応する退職代行なら、そこまで含めて任せられると知ったことで、ようやく動けると思えました。

実際に依頼してみた流れ(相談〜退職完了)

申し込みは深夜に行いました。LINEで現在の状況を送ると、翌朝には返信がありました。ドライバーであること、正社員であること、腰の問題で医師から休養が必要と言われていること、有給の残日数が不明なこと、退職を伝えると損害賠償と言われる可能性があることを伝えました。

弁護士法人が対応するサービスを選んだので、損害賠償の話についても「その状況であれば対応できます」と言われました。それだけで、かなり肩の荷が下りました。

退職代行の実施日、私は出勤しませんでした。代わりに担当者から会社に連絡が入りました。その日の午前中に、「会社側と話がついた」という報告を受けました。

連絡を待つ間、正直ずっと緊張していました。所長が怒鳴り込んでくるような気がして。でも、直接私に連絡は来ませんでした。来たとしても、代理人を通してほしいと伝えてもらっていたので。

その後、有給の残日数の確認、貸与物(ユニフォーム・ICカード)の返却方法、退職書類の郵送について順番に対応しました。会社とのやり取りはすべて代行側が行い、私が所長と直接話すことはありませんでした。

退職完了の連絡を受けたのは、実施日から数日後でした。4年間勤めた会社を、最後まで所長と顔を合わせることなく辞めることができました。

退職代行の流れ(相談〜退職完了)
退職代行の流れ(相談〜退職完了)

辞めた後の変化

退職してから最初の1週間は、ほとんど寝ていました。疲れがどれほど蓄積していたか、動けなくなって初めて分かりました。腰の治療も、ようやく通い始めることができました。「なぜもっと早く休まなかったんだろう」と思いましたが、あの状態のときには休むという選択肢が見えていませんでした。

家族との時間も取れるようになりました。子どもの顔をゆっくり見る余裕が、ようやく生まれました。妻から「目の色が違う」と言われました。自分では気づかなかったのですが、それだけ追い詰められていたということだと思います。

再就職は少し時間を置いてから行いました。ドライバー職は続けることにしましたが、今回は企業規模や労働条件を事前にしっかり確認しました。勤務時間・休日数・残業の実態を面接で具体的に聞き、前職のような環境でないことを確かめてから決めました。

今の職場は、勤務時間が明確に決まっています。残業はほとんどなく、休日もちゃんと取れます。当たり前のことなのに、それが当たり前ではなかった時間が長すぎました。

同じ状況の人へ伝えたいこと

運送業界で働いていると、「みんなそういうものだ」「体力がなければ続けられない」という空気が当たり前のようにあります。私もその空気に飲まれていました。長時間労働も、休憩が取れないことも、腰が痛くなることも、「仕事ならしょうがない」と思っていました。

でも、眠りかけながら高速道路を走っていたあの瞬間に気づきました。これは「仕事がきつい」という話ではなく、自分や周りの人間が危険にさらされているという話だと。

退職を伝えたら損害賠償を言われるかもしれない、そう思って動けない人は多いと思います。でも、弁護士法人が対応する退職代行を使えば、そういった脅しにも対応してもらえます。自分一人で抱えなくていいことがある、と知ってほしいです。

辞めることは逃げではありません。自分の体と安全を守る判断です。私が退職代行を使ったのも、弱かったからではなく、もうこれ以上は無理だと正直に認めることができたからだと思っています。

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