「退職後、傷病手当金と失業保険どっちをもらえばいいの?」——そんな不安を弁護士監修のもと解消します。
退職後のお金の不安、一人で抱え込まないでください。年間数千件の退職相談を受けている弁護士が、あなたの状況に合わせてアドバイスします。
目次
退職後「お金がない」不安、あなただけではありません
退職を決意したものの、こんな不安を抱えていませんか?
- 「体調が悪くて働けないけど、生活費はどうしよう」
- 「傷病手当金と失業保険、どっちがお得なの?」
- 「両方もらうことはできないの?」
私たちのLINE相談窓口には、毎日このような声が届いています。
「傷病手当、失業保険のサポートの件、また別途ご連絡頂ければと存じます」— 実際のLINE相談より(匿名化済み)
「傷病手当金の申請なんですが、このまま退職しちゃうと受け取れない可能性は無いですか?」— 実際のLINE相談より(匿名化済み)
退職後の生活を支える制度として傷病手当金と失業保険(雇用保険の基本手当)がありますが、この2つは目的も受給条件もまったく異なります。
正しい知識がないまま申請すると、本来もらえるはずの数十万〜数百万円を取りこぼすケースも珍しくありません。
この記事では、傷病手当金と失業保険の違いをわかりやすく比較し、あなたの状況に合った最適な受給プランを弁護士監修のもと解説します。
傷病手当金とは?——病気・ケガで働けない人のための制度
傷病手当金の基本
傷病手当金は、健康保険法第99条に基づく制度です。病気やケガのために労務に就けなくなった被保険者に対して、生活保障として支給されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管轄 | 健康保険組合・協会けんぽ |
| 支給額 | 直近12カ月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3(1日あたり) |
| 支給期間 | 支給開始日から通算1年6カ月 |
| 対象者 | 健康保険の被保険者(国民健康保険は対象外) |
| 待期期間 | 連続3日間の労務不能日(4日目から支給) |
傷病手当金の受給要件(4つ)
- 業務外の事由による病気やケガで療養中であること
- 療養のために労務に服することができないこと
- 連続する3日間の待期期間を満たしていること
- 休業した期間に給与の支払いがないこと(一部支給の場合は差額支給)
退職後も傷病手当金を受け取る条件
退職後も傷病手当金の受給を継続するには、以下の2つの条件を両方満たす必要があります。
- 退職日までに被保険者期間が継続して1年以上あること
- 退職日に傷病手当金を受給中、または受給条件を満たしていること(退職日に出勤していないこと)
注意:退職日に出勤してしまうと、退職後の継続給付が受けられなくなります。これは非常に重要なポイントです。
「傷病手当は退職後に健保組合からもらえば大丈夫との事でしょうか?」— 実際のLINE相談より(匿名化済み)
このように「退職後の傷病手当金の手続きがわからない」という相談は非常に多いです。退職後は会社を通さず、ご自身で健康保険組合に直接申請することになります。
失業保険(基本手当)とは?——再就職を目指す人のための制度
失業保険の基本
失業保険は、正式には雇用保険法第13条〜第15条に基づく「基本手当」のことです。失業した方が再就職活動をする間の生活を支援する制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管轄 | ハローワーク(公共職業安定所) |
| 支給額 | 離職前6カ月の賃金日額 × 給付率(約45〜80%) |
| 支給期間 | 90日〜330日(退職理由・年齢・雇用保険加入期間による) |
| 対象者 | 雇用保険に加入し、求職活動ができる状態の人 |
| 待機期間 | 7日間+自己都合退職の場合は給付制限2カ月 |
失業保険の受給要件
- 離職日以前の2年間に、被保険者期間が通算12カ月以上あること(会社都合・特定理由離職者は6カ月以上)
- 働く意思と能力があるにもかかわらず、就職できない状態であること
- ハローワークに求職の申し込みをしていること
「僕の状況として、失業保険は使える状態なのでしょうか?」— 実際のLINE相談より(匿名化済み)
自分が失業保険を受給できるかどうか不安に感じる方は多いです。特に「病気で退職した場合」は条件が複雑になるため、早めの確認が大切です。
【一目でわかる】傷病手当金 vs 失業保険 徹底比較表
| 比較項目 | 傷病手当金 | 失業保険(基本手当) |
|---|---|---|
| 根拠法 | 健康保険法第99条 | 雇用保険法第13条〜 |
| 目的 | 病気・ケガでの療養中の生活保障 | 再就職活動中の生活支援 |
| 申請先 | 健康保険組合・協会けんぽ | ハローワーク |
| 支給額の目安 | 給与の約2/3 | 給与の約45〜80% |
| 支給期間 | 通算1年6カ月 | 90日〜330日 |
| 求職活動 | 不要(療養に専念) | 必要(定期的な活動報告) |
| 働ける状態 | ✕ 働けない状態が条件 | ◯ 働ける状態が条件 |
| 自己都合の制限 | なし | 2カ月の給付制限あり |
| 課税 | 非課税 | 非課税 |
最大のポイント:傷病手当金は「働けない人」向け、失業保険は「働ける人」向け。この違いを理解することが、最適な受給計画の第一歩です。
傷病手当金と失業保険は同時にもらえる?
結論からお伝えすると、傷病手当金と失業保険を同時に受給することはできません。
理由は明確です。
- 傷病手当金 → 「労務不能」が支給条件
- 失業保険 → 「就労可能」が支給条件
この2つは正反対の状態を前提としているため、同時に条件を満たすことは論理的にありえません。
ただし、「順番に」受け取ることは可能です。正しい手順を踏めば、合計で数百万円単位の給付を受けられるケースもあります。
【最重要】両方もらうための正しい受給手順
病気やケガが原因で退職した場合、以下の手順で両方の制度を最大限活用できます。
ステップ1:退職前に傷病手当金の受給条件を整える
- 医師の診断書を取得する
- 会社に傷病手当金の申請書の事業主記入欄を記載してもらう
- 退職日に出勤しない(これを忘れると継続給付を失います)
- 健康保険の被保険者期間が1年以上あることを確認する
「傷病手当は退職後でも良いと伺いましたが、退職する前までに何か先に手続きをやっておかないと受けられなくなるようなことがあるのでしょうか?」— 実際のLINE相談より(匿名化済み)
このご質問のとおり、退職前にやっておくべき準備があります。退職後では取り返しがつかないケースもあるため、早めの対応が重要です。
ステップ2:退職後、ハローワークで「受給期間延長」を申請する
通常、失業保険の受給期間は離職日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると失業保険を受け取る権利が消滅します。
しかし、病気やケガで30日以上働けない場合は、受給期間を最大3年間延長できます(雇用保険法第20条)。
延長手続きのタイミング:働けない状態が30日を経過した翌日から1カ月以内にハローワークへ申請してください。
この手続きを忘れると、傷病手当金の受給が終わったあとに失業保険をもらえなくなるリスクがあります。退職したらまずハローワークへ行くことを忘れないでください。
ステップ3:傷病手当金を受給する(最長1年6カ月)
- 退職後は会社を通さず、健康保険組合に直接申請
- 毎月、医師の証明をもらって申請書を提出
- 通算1年6カ月間、給与の約2/3を受け取れる
ステップ4:体調回復後、失業保険に切り替える
- 医師から「就労可能」の証明をもらう
- ハローワークに行き、求職申し込みと失業保険の受給手続きをする
- 7日間の待機期間を経て、失業保険の受給が始まる
この順序を守ることで、傷病手当金(最長1年6カ月)+ 失業保険(90日〜330日)を連続して受給できます。
「自分の場合はどうなる?」——状況に合わせた受給プランを弁護士がご提案します。
傷病手当金と失業保険の切り替え、受給期間延長の手続きなど、複雑な判断はプロにお任せください。LINE相談は無料です。
受給額シミュレーション——実際いくらもらえる?
月給30万円の方を例に、受給額をシミュレーションしてみましょう。
傷病手当金の場合
- 1日あたりの支給額:30万円 ÷ 30 × 2/3 = 約6,667円
- 1カ月の支給額:約6,667円 × 30日 = 約20万円
- 1年6カ月の合計:約20万円 × 18カ月 = 約360万円
失業保険の場合(自己都合退職・10年以上勤務)
- 基本手当日額:約5,000〜6,000円前後(年齢・賃金による)
- 給付日数:120日(10年以上20年未満の場合)
- 合計:約5,500円 × 120日 = 約66万円
両方を順番に受給した場合
傷病手当金 約360万円 + 失業保険 約66万円 = 合計約426万円
正しい手順を踏むかどうかで、数百万円の差が出る可能性があります。
※ 上記はあくまで概算です。実際の支給額は標準報酬月額に基づいて計算されるため、金額が異なる場合があります。
よくある失敗パターン5選——LINE相談から見えた落とし穴
年間数千件のLINE相談を受ける中で、多くの方が陥りやすい失敗パターンがあります。
失敗1:退職日に出勤してしまう
退職日の最終日に「挨拶だけ」と出勤してしまうと、その日は「労務可能」と判断され、退職後の傷病手当金の継続給付が受けられなくなります。
退職代行を利用する場合は、この点を弁護士が退職日の設定について適切に対応しますのでご安心ください。
失敗2:受給期間延長の手続きを忘れる
「ハローワークに失業保険の手続きに行こうと思うのですが、もう少し待ったほうがよろしいでしょうか?」— 実際のLINE相談より(匿名化済み)
傷病手当金を受給中に失業保険の受給期間が過ぎてしまうケースがあります。退職後30日以上働けない場合は、早めにハローワークで延長申請をしてください。
失敗3:会社が傷病手当金の書類を書いてくれない
「傷病手当の手続きを会社が行ってくれるかどうかが問題です」— 実際のLINE相談より(匿名化済み)
退職代行を利用する場合、会社が書類の記入に非協力的なケースがあります。弁護士が間に入ることで、法的根拠に基づいて書類の記入を求めることができます。
失敗4:健康保険の被保険者期間が1年未満
入社して1年未満で退職すると、退職後の傷病手当金の継続給付が受けられません。転職直後の方は特に注意が必要です。
失敗5:傷病手当金と失業保険を同時に申請してしまう
前述のとおり、2つの制度は同時受給できません。同時に申請すると、どちらか一方が不支給になるだけでなく、過払いが発生した場合は返還を求められることもあります。
「自己都合退職」でも傷病手当金はもらえる?
はい、退職理由が自己都合であっても傷病手当金は受給できます。
傷病手当金は「退職理由」ではなく「病気やケガで労務不能かどうか」が判断基準です。うつ病や適応障害などメンタルヘルスの不調で退職する場合も対象になります。
「今は抑うつ状態で、来月退職して、体調が回復するまで、傷病手当で生活をしようと思っています」— 実際のLINE相談より(匿名化済み)
メンタルヘルスの不調による退職は増加傾向にあります。退職代行サービスに寄せられる相談でも、適応障害やうつ病を理由とした退職は非常に多いケースです。詳しくはうつ病での退職ガイドもご覧ください。
また、自己都合退職の場合、失業保険には2カ月の給付制限がつきますが、医師の診断書があれば「特定理由離職者」として認められ、給付制限が免除される場合もあります。ハローワークに相談してみてください。
傷病手当金を選ぶべき人・失業保険を選ぶべき人
傷病手当金を優先すべき人
- うつ病・適応障害・身体疾患などで現在働けない状態の人
- 退職後もしばらく療養が必要な人
- 健康保険の加入期間が1年以上ある人
- 退職前に医師の診断を受けている(または受けられる)人
失業保険を優先すべき人
- 退職後すぐに就職活動ができる健康状態の人
- 病気やケガではなく、人間関係やキャリアチェンジなどの理由で退職する人
- 雇用保険に12カ月以上加入している人
両方の活用を検討すべき人
- 現在は体調不良で働けないが、将来的に回復が見込める人
- 退職後の経済的な不安が大きい人
- できるだけ長期間の経済的保障を確保したい人
「雇用保険未加入、傷病手当も過去に受給したことがあるので退職後の生活が不安で…。」— 実際のLINE相談より(匿名化済み)
雇用保険に未加入の場合や、過去に傷病手当金を受給している場合は、受給できる制度が限られます。ご自身の状況を正確に把握することが最も重要です。
手続きの流れ——退職前〜退職後のチェックリスト
退職前にやるべきこと
- ☐ 医師の診断書を取得する(傷病手当金を申請する場合)
- ☐ 健康保険の加入期間を確認する(1年以上あるか)
- ☐ 雇用保険の加入期間を確認する(12カ月以上あるか)
- ☐ 傷病手当金申請書の事業主記入欄を会社に依頼する
- ☐ 退職日には絶対に出勤しない
退職後すぐにやるべきこと
- ☐ 健康保険の切り替え手続き(任意継続 or 国民健康保険)
- ☐ ハローワークで受給期間延長の手続き(30日以上働けない場合)
- ☐ 傷病手当金の申請書を健康保険組合に提出(毎月)
- ☐ 国民年金の免除申請(役所で手続き)
体調回復後にやるべきこと
- ☐ 医師から「就労可能」の証明をもらう
- ☐ ハローワークで求職申し込みと失業保険の受給手続きをする
- ☐ 定期的に求職活動の報告を行う
よくある質問(FAQ)
Q. 傷病手当金をもらいながらアルバイトはできますか?
原則としてできません。傷病手当金は「労務不能」が支給条件です。アルバイトをしていると「働ける状態」と判断され、支給が停止される可能性があります。ただし、軽微な内職など例外的に認められるケースもあるため、健康保険組合に事前確認することをおすすめします。
Q. 国民健康保険に切り替えたら傷病手当金は打ち切りですか?
退職前から継続して傷病手当金を受給している場合は、国民健康保険に切り替えても受給を継続できます。ただし、退職後に新たに傷病手当金を申請することはできません。退職前に受給条件を満たしていることが前提です。
Q. 失業保険を受給中に病気になったらどうなりますか?
失業保険の受給中に病気やケガで15日以上働けなくなった場合、「傷病手当」(雇用保険法第37条に基づく制度で、健康保険の傷病手当金とは別)に切り替わります。金額は基本手当と同額です。
Q. 退職代行を使っても傷病手当金の手続きはできますか?
「傷病手当の代行はできないのでしょうか?」— 実際のLINE相談より(匿名化済み)
弁護士による退職代行であれば、会社に対して傷病手当金の申請書類の記入を求める交渉が可能です。労働組合や民間の退職代行では法的な交渉ができないため、傷病手当金の手続きが必要な場合は弁護士の退職代行を選びましょう。
Q. 過去に傷病手当金をもらっていた場合、再度受給できますか?
同一の傷病については、通算1年6カ月を超えて受給することはできません。ただし、まったく別の傷病であれば、新たに受給できる可能性があります。詳しくは加入している健康保険組合にお問い合わせください。
退職代行と傷病手当金——弁護士だからできること
退職代行サービスを利用して退職する場合、傷病手当金の手続きには以下のような問題が発生しがちです。
- 会社が傷病手当金の申請書を書いてくれない
- 退職日の設定を誤り、継続給付の条件を満たせない
- 離職票の退職理由が不適切で、失業保険の給付制限が不利になる
「傷病手当についても会社とやり取りなどはして下さったりできますでしょうか?」— 実際のLINE相談より(匿名化済み)
弁護士による退職代行なら、以下のサポートが可能です。
- 退職日の戦略的な設定(傷病手当金の継続給付条件を満たすように)
- 会社への書類記入依頼(法的根拠に基づく交渉)
- 離職票の記載内容の確認(不利にならないようチェック)
- 受給に向けたアドバイス(手続きの順序や注意点)
まとめ——退職後のお金で後悔しないために
傷病手当金と失業保険は、どちらも退職後の生活を支える大切な制度です。重要なポイントを振り返ります。
- 傷病手当金は「働けない人」向け、失業保険は「働ける人」向け
- 同時受給はできないが、順番に受け取ることで合計数百万円になることも
- 退職日に出勤しないことと受給期間延長の手続きは絶対に忘れない
- 傷病手当金の手続きが必要なら、弁護士の退職代行を選ぶ
- 退職前の準備が受給の成否を分ける——早めの相談が最善
退職後のお金の問題は、正しい知識と早めの行動で解決できます。一人で悩まず、まずはプロに相談してみてください。料金についてはこちらをご確認ください。
退職後の傷病手当金・失業保険のことで悩んでいませんか?
弁護士があなたの状況に合わせて、最適な受給プランをご提案します。相談は無料。LINEで今すぐお気軽にお問い合わせください。
※ 年間数千件の退職相談実績|弁護士監修の退職代行サービス
※ この記事は弁護士監修のもと作成しています。健康保険法・雇用保険法に基づく一般的な解説であり、個別の状況により適用が異なる場合があります。具体的な判断はお住まいの地域のハローワーク、加入している健康保険組合にお問い合わせください。


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