保険営業を退職代行で辞めた体験談|ノルマと自爆営業で限界だった私の話
📋 この記事のモデルケース
| 業種 | 生命保険会社・営業職 |
|---|---|
| 雇用形態 | 正社員 |
| 年代・性別 | 30代前半・女性 |
| 主な悩み | ノルマ未達・自爆営業・精神的に限界 |
| 退職方法 | 退職代行(弁護士法人)を利用 |
目次
保険営業で働いていたころの状況
私は30代前半で、生命保険会社の営業職として働いていました。正社員として入社したので、最初は「安定した仕事に就けた」と思っていました。人と話すことは嫌いではなかったですし、誰かの将来設計に関われる仕事なら、やりがいもあるのではないかと考えていました。
でも、実際に働き始めてみると、想像していた仕事とはかなり違いました。
毎月の契約件数、保険料、見込み客の数、面談数、紹介数。数字で管理される項目がとにかく多く、朝礼では毎日のように進捗を確認されました。達成している人は褒められ、できていない人は全員の前で名前を出されました。
最初のころは「まだ慣れていないから仕方ない」と思っていました。でも、数ヶ月経っても思うように契約は取れませんでした。親戚や友人にも声をかけましたが、保険の話をした瞬間に距離を置かれることもありました。
休日もスマホを手放せませんでした。見込み客から返信が来ていないか、上司から連絡が来ていないか、常に気になっていました。休んでいるはずなのに、頭の中はずっとノルマのことばかりでした。仕事なのに、私生活まで削られていく感覚がありました。
自爆営業で限界を感じた瞬間
本当に限界だと思ったのは、自分で保険を契約したときでした。
月末が近づいても、どうしても数字が足りませんでした。上司からは「今月このままだと厳しいね」「あと1件、何とかならないの?」と言われ続けていました。最初は遠回しな言い方でした。でも、そのうち「自分の保障を見直すのも営業の勉強だから」「商品を知らない人が、お客様に勧められるの?」と言われるようになりました。
結局、私は自分名義で新しい保険に入りました。本当に必要だと思って加入したわけではありません。毎月の保険料は決して安くありませんでした。それでも、その月の数字を埋めるために契約しました。
その後も、自爆営業のようなことは一度では終わりませんでした。家族に頼んだり、昔の友人に連絡したり、自分で小さな契約を追加したりしました。
だんだん、人と会うのが怖くなりました。友人から「久しぶりに会おう」と言われても、「保険の話をすると思われるかもしれない」と考えてしまいました。家族にも申し訳なくて、実家に帰るのも気が重くなりました。
朝、会社に行く前に涙が出ることが増えました。駅のホームで電車を見ながら、「今日だけ休みたい」と何度も思いました。でも休めば、また数字が遅れる。そう思うと、無理やり会社に向かっていました。
退職代行を知ったきっかけ・迷った理由
退職代行を知ったのは、夜中にスマホで「保険営業 辞めたい」「ノルマ つらい」と検索していたときでした。最初は、自分には関係ないと思いました。退職代行を使う人は、もっと特殊な状況の人だと思っていましたし、自分で退職を言えばいいだけなのに甘いのではないかと、自分を責める気持ちもありました。
でも、実際には退職を言い出すことができませんでした。上司に退職を伝えたら、何を言われるのか想像できました。
- 「今辞めたらお客様はどうするの?」
- 「担当を引き継ぐまでは無理」
- 「社会人として無責任」
- 「せめて今月の数字を作ってからにして」
そう言われる未来が見えていました。それに、保険営業はお客様との関係もあります。契約してくれた人、相談中の人、紹介してくれた人。そういう人たちを思い浮かべると、自分だけ辞めることに罪悪感がありました。
退職代行を調べる中で、弁護士法人が対応しているサービスがあることを知りました。会社とのやり取りや、有給、貸与物の返却なども含めて相談できると分かり、少しだけ安心しました。
それでも、申し込むまでには何日も迷いました。お金もかかるし、本当に辞められるのかも不安でした。でも、ある朝、スーツに着替えたまま玄関で動けなくなりました。そのとき、「もう自分でどうにかするのは無理だ」と思いました。
実際に依頼してみた流れ(相談〜退職完了)
最初はLINEで相談しました。今の状況、保険営業であること、ノルマが達成できず自爆営業のような形で自分の保険を契約していたこと、精神的に限界で出社できないことを送りました。返信は思っていたより落ち着いた内容でした。責められることもなく、必要な情報を順番に確認されました。
雇用形態、会社名、退職希望日、貸与物の有無、有給の残日数、連絡してほしくない相手などを伝えました。弁護士法人が対応する退職代行を選んだので、会社とのやり取りに不安があることもそのまま相談しました。
退職代行の実施日は、もう出社しない前提でお願いしました。その日の朝、私は会社に行きませんでした。代わりに、退職代行の担当者から会社へ連絡が入りました。
その後、会社側から貸与物の返却や退職書類について連絡があったと報告を受けました。私は保険証、社員証、資料、会社の端末などを郵送で返しました。退職完了まで、何度か確認事項はありましたが、上司と直接話すことはありませんでした。
あれほど怖かった退職のやり取りが、自分を間に挟まずに進んでいくことに、拍子抜けする気持ちもありました。
辞めた後の変化
退職が完了したあと、最初に感じたのは解放感ではなく、疲れでした。何日も眠りました。しばらくはスマホの通知音が鳴るだけで緊張しました。
でも、少しずつ体が戻っていきました。朝起きた瞬間にノルマのことを考えなくていい。月末の数字に追われなくていい。友人や家族を見込み客として見なくていい。そのことが、私にとってはとても大きかったです。
仕事を辞めたことに罪悪感がなかったわけではありません。お客様に申し訳ない気持ちはありました。でも、あのまま続けていたら、私はもっと壊れていたと思います。
辞めてから数ヶ月後、私は別の業界で働き始めました。営業職ではありますが、前職のように家族や友人を巻き込む働き方ではありません。数字のプレッシャーはありますが、自分の生活を削ってまで契約を作る必要はなくなりました。
同じ状況の人へ伝えたいこと
保険営業でノルマに追われていると、自分が悪いと思い込みやすいです。契約が取れない自分が悪い、数字を作れない自分が弱い、辞めたいと思う自分が甘い——私もずっとそう思っていました。
でも、自爆営業のような形で自分の生活を削ってまで会社の数字を作っているなら、一度立ち止まっていいと思います。
退職を伝えることを考えただけで体が固まる。上司と話すのが怖い。もう会社に行けない。そういう状態なら、第三者に間に入ってもらう選択肢があってもいいと思います。
私にとって退職代行は、楽をするためのものではありませんでした。もう自分では言えない状態から抜け出すための、最後の手段でした。辞めることは、これまで頑張ってきた時間を否定することではありません。
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