病院勤務の医者も、実はパワハラが蔓延している職業の1つ。上下関係と派閥にうるさく、パワハラが絶えないばかりか、それが伝統のようにもなっています。そんな医者と職場にうんざりして、退職と同時に病院と個人を訴えるのはいかがでしょうか。今回は医師がパワハラで訴える方法をご紹介します。
目次
病院は医者によるパワハラが多い!専門家が集結する独特の社風
冒頭でも述べたとおり、病院勤務の医者は実はパワハラを受けやすい環境下にあります。そのため、病院や個人を訴える医者も少なくありません。というのも病院は医療に関する専門家が集結している場所なので、医者個人が何かしらのプロフェッショナルです。自身の分野に関しては特に長けているためプライドも高く、意見されようものなら、あまり良い気がしないのでしょう。そのため、いざこざが生じやすいのです。
研修医などの若手はこのようないざこざに巻き込まれることも多く、違う科の医者からもパワハラを受けることがあります。ただでさえ覚えることや業務量も多い中、人間関係が上手くいかないと辛いものがあります。既に病院で出来上がっている体制を変えてもらうことは困難であり、自らが退いた方が楽だと言えます。もしもこのような病院に勤めているのであれば転職するようにしましょう。
精神的なパワハラが圧倒的に多い
医者の場合は、上司による精神的に中傷されるパワハラが圧倒多数を占めます。最も多いのはスタッフステーションでみんなの前で罵られること。プレゼン資料を何度も作りなおしさせられたり、できもしないパソコンの故障の修理を頼まれたり、精神的・肉体的に限界を上回る当直を要求されたり……。医者は上下関係がはっきりしているため、上司の言いなりになるほかありません。そのため、徐々に精神を蝕まれてしまい、うつ病になってしまう人も少なくありません。
医局勤務の医者は特にパワハラ被害が多い
教授を筆頭とする大学病院、いわゆる医局は日本独自の習慣ですが、この医局内はテレビドラマでもよくあるように、複数の派閥が存在しており、いずれかに属さなければなりません。研修医や3年目、4年目の若い医者は、そういった医局の体制にどうしても納得できなく、辞めていく人もいれば、上司や教授からのパワハラに耐えられなく、退職を余儀なくされる人も少なくありません。
辞めさせてくれない、脅される。これもすべてパワハラです
実は医者が看護師にパワハラを働く、と言った行為は少ないのはご存知ですか。圧倒的に多いのは医者が医者に対するパワハラです。また、罵詈雑言を直接浴びせられなくとも、「いま辞めたら損害賠償を請求してやる」、「他の病院に転職できると思うなよ」のような脅し文句も十分パワハラとなります。
特に大学病院はその地域で大きな力を持っているため、「他の病院にお前を採用しないように通達を出しておくからな」と言われた実際の例もあります。
医者を辞める必要はなし。地方勤務も1つの手
パワハラは主に大規模な病院や大学病院で発生します。
そのようなパワハラの被害に遭いたくない場合は、いっそのこと都会を捨てて地方へ移住してみるのはいかがでしょうか。町医者であれば上下関係は厳しくありませんし、若い研修医にも敬意を払ってくれる医者が多くいます。
出世とは無縁になってしまうかもしれませんが、地方であっても年収は高いですし、自分で診療所を開業するのも敷居は低いです。
医者の上司はパワハラとは思っていないケース。病院側を訴えるべきか
古い体勢の病院では、未だに根性論を掲げている場合があります。患者やスタッフの前で怒鳴ったり、ミスは許されないと圧力をかけてきたり、高学歴の者に対しては過剰に仕事を与えたり、反対派閥に対して執拗な嫌がらせをしたりする人も多くいます。
また、これらをパワハラと認識しておらず、平然とやってのける医者が存在する職場であるのなら、退職して、なおかつ上司や病院側をパワハラで訴えることもいいでしょう。働き方改革によって、様々な業種は変化を遂げており、それは医者も同じです。古いままの就業場所が合わないと感じたら無理に務める必要はありませんし、理不尽な勤務体制を敷く病院や、医者にパワハラをする上司を訴えることもおすすめできます。
ただし、気を付けたいのは、それは本当にパワハラなのか、ということです。パワハラというのはまだまだ境界線があいまいなので、十分な証拠をつかんでいないと、訴えることはできても、裁判で勝つのは難しい場合もあります。
病院勤務の医者がパワハラで訴える場合のポイント
医者が退職と同時にパワハラで訴える場合、まずは訴える対象です。パワハラをした上司はもちろん、そのパワハラを暗黙の了解として認知していた病院側も訴えることができます。損害賠償請求は50~100万円程度となるので、両方を訴えて勝つことができれば、最大で200万円程度を受け取ることができます。
しかし、訴えるといっても、パワハラの場合は裁判にならないことがほとんどです。こちらが十分な証拠を持っているのであれば、上司も病院側もかんねんして、裁判を取りやめてもらう代わりに示談金を支払う方向で交渉してくるでしょう。
病院勤務の医者がパワハラで訴えるさいに確保しておきたい証拠とは
病院勤務の医者がパワハラで訴えることを考えた場合、どのような証拠を日ごろから押さえておくのがいいのでしょうか。
- 音声録音
- 日記
- 業務日誌
- 写真・動画
- 証言者
上記が主な証拠となりますが、この中で現実的なのは音声録音と日記、そして業務日誌です。日記と業務日誌は連続性がなければならないので、3か月くらいは最低でもつけるようにして、必ず日時を書き、パワハラで訴えるべく病院の名称や上司の姓名をしっかりと記述するようにしましょう。また、音声録音はボイスレコーダーをONにして懐にしまっておくだけで準備はOK。最近は容量も増えているので、15~30時間連続録音できるものもあります。自分の1日の勤務時間に合わせて種類を選んでください。ちなみに証言者はおすすめできません。証言者はおそらく同僚となるため、事前に病院側に知られて圧力をかけられる可能性もあります。
もちろんいっかいの医者が病院を相手取ってそこまでの交渉をすることは現実的ではありません。病院側も弁護士が出てくるかもしれませんし、パワハラの決定的な証拠がない場合は、むしろ名誉棄損と言われることもあります。そのため、こちらも弁護士に依頼するようにしましょう。
昨今は弁護士の中で、通常の損害賠償請求はもちろん、退職手続きの代行もわずか5万円前後で請け負っているところも出てきました。一度相談してみてはいかがでしょうか。
退職代行サービスを利用するポイント
退職代行サービスを提供しているのは民間と弁護士がありますが、病院勤務の医者がパワハラやそのほか理由で訴えたり、退職をしたい場合は、問答無用で弁護士への依頼となります。上述したように、病院は常に訴訟問題を抱えているものなので、一般企業と異なり、こちらも弁護士を用意してはじめて対等に話し合うことができます。民間の退職代行業者だと病院側には太刀打ちすることができませんし、そもそも民間の業者は交渉をしたり、裁判をすることができません。
どんなに大きな病院であっても、パワハラは法律によって禁じられていますし、病院の規模が大きければ、スキャンダラスな問題は避けたいと思うところ。教授の問題であればマスコミに圧力をかけることもあるかもしれませんが、単なる医者同士のパワハラ問題であれば、パワハラをした上司を切り捨てることでしょう。
【参考URL】
https://www.recruit-dc.co.jp/contents_feature/nopowerhara/
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