会社の役員や取締役に就任後に事情があって辞めたい場合、どのような手順を踏めばいいのでしょうか。零細中小の役員は辞任時にトラブルもつきものです。ここでは役員の辞め方をご紹介します。
目次
会社役員を辞めたい場合はすぐに辞められる?
会社役員を辞める場合は「辞任・解任・退任」のいずれかを選択することになります。解任は会社から契約解除を通達され、退任は会社役員の人気満了で更新されない場合となります。
そのため、任期中に会社役員を自分の意思で辞めたい場合は、「辞任」することになります。通常取締役会設置会社は3人以上の役員が在籍することになりますが、会社役員が辞任できる条件として「欠員が出ない」ことが挙げられます。
例えば自分が辞めることで会社役員に穴が生じてしまう場合、新たな役員が任命されるまで会社役員を辞任することはできない決まりがあります。
会社と役員の委任規定を見直そう
会社組織及び社内ガバナンスがしっかりしている中小大手企業であればそれほど問題はなく、いつでも辞任(会社を退職)することができるはずです。しかし、小規模事業者やブラック体質の中小企業ではしばしば「会社役員を辞任できない」事態に遭遇することがあります。
例えば会社役員の委任規定の中で、「役員・取締役を辞任するときは、役員全員の承認を得なければならない」と記載がある会社が実際にあります。一見すると納得しそうではありますが、上述したように役員はいつでも辞任することができ、これは民法六五一条条一項「委任の解除」に基づくものとなります。そのため、上述した委任規定は民法上法令違反となり遵守する必要はありません。
会社役員を辞めたい場合:損害賠償請求されるケースを想定する
会社役員を辞めたい場合、上述したように「辞任」することにより、事実上いつでも会社を退職することができます。しかし、会社役員を自分が辞めることによって会社側が何かしらの損失を被る事態に発展する場合、ケースによっては会社側から損害賠償請求が発生することもあります。
会社にとって不利な時期や直接損失が発生する事例というのはケースバイケースとなるので一概には言えませんが、現在自分中心のプロジェクトが進んでいたり、自分が役員を辞任することで重要な顧客が失ってしまう場合はリスクがあるため、辞任する前に弁護士などに相談するのが賢明と言えるでしょう。
役員を辞めたい場合は辞任登記を忘れずに
役員を辞めたあとは辞任登記をして自分が辞任したことを社内外に伝えなければなりません。登記上自分がまだ役員・取締役のままである場合、取引先からすると自分は役員として見なされます。もしそのタイミングで損害賠償の問題が発生すると、場合によっては自分も火の粉を被る可能性もあります。
特に小さな会社だと辞任登記をいつまでもしないところが多く、すでに会社を退職していても会社内部ではまだ自分の籍が残ってる状態が何週間も続く、なんてこともあります。
会社役員を辞められない場合は弁護士に相談しよう
「会社役員を辞めたいけど、自分の会社は社長をはじめ取締役が少し異常……」そんな人は辞任する前に弁護士に相談するようにしましょう。会社から損害賠償請求されないよう手続きの相談に乗ってくれます。
特に中小企業の役員や家族経営の会社で部外者の役員は自分だけ、といった会社に属している場合、意外と辞任時に揉めることが多くあります。会社の経営が傾きかけている場合や、他社からヘッドハンティングされて転職したい場合は、会社側もおいそれと辞任を受け入れないケースも目立ちます。そんなときも是非一度弁護士に相談してみてください。
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