IT営業のノルマで疲弊した20代男性が退職代行を使った話【モデルケース】
📋 この記事のモデルケース
| 業種 | IT企業・SaaS営業職 |
|---|---|
| 雇用形態 | 正社員 |
| 年代・性別 | 20代後半・男性 |
| 勤続年数 | 2年3ヶ月 |
| 主な悩み | テレアポのノルマ・上司との関係・転職を考えている |
| 退職方法 | 退職代行(弁護士法人)を利用 |
目次
IT営業(SaaS)で働いていたころの状況
私が働いていたのは、中小企業向けに業務管理のSaaSツールを販売するIT系の会社でした。新卒ではなく、前職から転職して入社しました。「ITの仕事をしてみたい」「成長できる環境に行きたい」という気持ちがあったので、採用面接でよく聞くような言葉が並んでいても、あまり疑いませんでした。
入社してすぐに配属されたのは、インサイドセールスのチームでした。主な仕事は架電、つまりテレアポです。リストに並んだ企業に毎日電話をかけ続け、商談のアポイントを取るのが私の仕事でした。
最初の数ヶ月は慣れるのに必死で、それほど辛いとは感じていませんでした。でも、半年ほど経つころから、だんだん状況が変わっていきました。
1日あたりのコール数、アポ取得率、商談の受注率。こうした数値を毎週レビューされるようになりました。達成できない週が続くと、上司から個別に呼ばれ、原因を報告するよう求められました。電話のトークを録音で聞き直すという振り返りも、繁忙期には週に2〜3回ありました。
仕事そのものは嫌いではありませんでした。でも、数字が届かないたびに「なぜできないのか」「このままでは評価できない」と言われ続けることが、じわじわと体に堪えてきました。
テレアポのノルマと上司の圧力——限界を感じた瞬間
月の後半になると、チーム全体に緊張感が走るようになりました。特に月末の2〜3日は、上司の口調が変わりました。普段は丁寧な言い方をする人でも、数字が足りないと「今日中に何件取れるの?」「もう動かないと間に合わないよ」と、圧をかけてくるようになりました。
私が特にきつかったのは、「アポが取れない理由を自分で探せ」というスタンスでした。トーク内容が悪い、電話のタイミングが悪い、声のトーンが暗い——いろいろ言われましたが、どれを直しても数字が大きく改善することはありませんでした。それでも「改善が足りない」と言われ続けました。
ある時期から、土日も仕事のことが頭から離れなくなりました。月曜日の朝が来るのが怖くて、日曜の夜は眠れないことが増えました。スマホのアラームが鳴るたびに胃が痛む感覚がありました。
転職を考え始めたのもその頃です。もともと、IT営業の経験を積んでから別の仕事に転職するつもりでいたので、「そろそろ動くタイミングかもしれない」と思っていました。ただ、動き出すためには今の会社を辞めることが先決でした。それが、想像以上に難しかったのです。
🔍 あなたも同じ状況ですか?
退職代行を知ったきっかけ・迷った理由
退職代行という言葉を初めて調べたのは、ある夜中のことでした。「IT営業 辞めたい」「テレアポ 限界」と検索していて、退職代行の記事にたどり着きました。
最初は正直、「自分には関係ない」と思いました。自分で退職を伝えればいいだけの話だし、第三者に頼むのは逃げているような気がしていました。でも、上司に退職を切り出すことを想像すると、どうしても動けませんでした。
理由はいくつかありました。
- 上司は感情的になりやすく、最後まで引き止めにかかってくるのが目に見えていた
- 「次が決まってから辞めろ」「今辞めたらチームに迷惑がかかる」と言われることが予想できた
- 有給がまだ残っていたが、消化できずに終わりそうだった
- 退職を伝えた後も出社し続けるのが精神的に耐えられないと思っていた
何度か「今日こそ言おう」と思って出社したことがありましたが、結局言えないまま帰ってくることが続きました。自分ではもう限界だと分かっているのに、体が動かない。そういう状態でした。
そんな中で退職代行を改めて調べてみると、弁護士法人が対応するサービスがあることを知りました。単に「会社に連絡を代わりにする」だけでなく、有給消化の交渉や、会社から不当な要求があった場合にも対応できると分かって、少し安心できました。
それでも申し込みに踏み切るまでに、1週間ほどかかりました。費用のことも気になりましたし、「本当に退職できるのか」という不安もありました。ただ、ある夜、上司からのメッセージを見てまた眠れなくなったとき、「このままじゃ転職活動すらできない」と思い、問い合わせのボタンを押しました。
実際に依頼してみた流れ(相談〜退職完了)
最初の相談はLINEで行いました。夜の11時を過ぎていましたが、すぐに返信がありました。今の職場の状況、雇用形態、退職を言い出せない理由、有給の残日数、会社からの貸与物の有無などを順番に確認されました。
弁護士法人が対応するサービスを選んだので、退職にあたって会社側から何か言われても法的に対応できると説明を受けました。損害賠償のような話を持ち出してくる会社があることも知っていたので、それが安心できた点のひとつでした。
退職代行を実施する日は、出社しないタイミングで依頼しました。当日の朝、私は家にいたまま、担当者から会社に連絡が入りました。上司への直接連絡は不要と伝えてあったので、私のスマホには会社から着信が来ることはありませんでした。
その後、退職に関する書類のやり取りや、社用パソコン・ICカードの返却方法について会社側から連絡が来ましたが、すべて郵送で対応しました。有給については、残日数のうち数日分を消化できる形で退職日を調整してもらいました。
退職が正式に完了するまで、上司と直接話すことは一度もありませんでした。あれほど「言えない」と思っていた退職が、こんなにシンプルに進むとは思っていませんでした。

辞めた後の変化
退職が完了した直後は、安心というより放心に近い状態でした。何年も張り詰めていた何かが、ふっと抜けていく感じがしました。最初の2〜3日は、ただぼんやりしていました。
一番変わったのは、朝の感覚です。目が覚めた瞬間に「今日のコール数はどうしよう」と考えなくていい。月末の数字に追われなくていい。それだけで、体の緊張が全然違いました。日曜の夜に気持ちが沈まなくなったことも、地味に大きかったです。
転職活動は、退職から数週間後に始めました。精神的に落ち着いてから動けたので、在職中に無理やり活動していたよりも冷静に選べた気がします。営業の経験を活かしつつ、もう少し自分のペースで働ける職種を探しました。
今振り返ると、あのタイミングで辞めたのは正解でした。もし退職代行を使わずにいたら、言い出せないまま1年以上引き延ばしていたと思います。そのぶんだけ、転職も遅れていたでしょう。
同じ状況の人へ伝えたいこと
IT営業というと、成長できる環境・稼げる仕事というイメージを持って入社する人も多いと思います。私もそうでした。でも、テレアポのノルマと上司のプレッシャーが重なると、「辞めたい」という気持ちよりも「辞めると言えない」という壁が先に来ることがあります。
転職したいのに動けない、という状態は、怠けているわけではありません。体が正直に「もう限界です」というサインを出しているだけです。
退職代行を使うことに、最初は抵抗がありました。「自分で言えばいい話なのに」という気持ちもありました。でも、言えない状態になっているなら、第三者に間に入ってもらうのは現実的な選択肢です。弁護士法人が対応するサービスなら、会社側から不当な対応があっても対処できます。
転職活動を始めるためにも、まず今の状況から抜け出すことが先です。一歩踏み出せれば、その後の選択肢は広がります。私はそう実感しています。





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