退職できないときは労基に相談はおすすめできない

退職できないときは労基に相談はおすすめできない

「上司からのパワハラや会社から無言の圧力を受けている」、「退職したくとも退職させてくれない」といった悩みを持つ社会人の男性・女性は多くなってきています。2000年代に入り日本企業もグローバル化を辿るようになり、いまでは終身雇用を当たり前と思わなく、転職の自由が段々と認められてきた結果となります。しかし、退職がしやすくなった一方で、部下をいたぶり、退職させない、精神的に追い込みをかけるようなブラック企業も増えている現実があります。

「退職できないときは労基に相談すればいいよ。彼らが会社に入って指導してくれるから」ともしアドバイスを受けたのであれば、ちょっと待ってください。労基に相談しても効果がないばかりか、逆効果になることもあります。今回は退職できないときに労基に相談の可否をご紹介します。

「退職できない!」会社側はグレーな行為を社員にしている

会社側はグレーな行為を社員にしている

会社側もそれなりに労働法に関しては調べているため、どこまでの行為がグレーでどこからが違法行為に該当するのかは、簡単にでも知っているはずです。その中でも「自分が退職に追い込まれている」あるいは「退職できない」場合、本当に会社側に違法性や過失があるのかを調べるのは困難です。会社側が「退職させないなんてとんでもない。こちらは頼んでいるだけです」と言ってきたり、「いま辞められると会社は損害を被る可能性が高いから」など、違法行為すれすれだけれど、違法とは言えないことを社員に強いて退職できないようにしている可能性は非常に高いです。

退職できないときに労基がおすすめしない理由

労基がおすすめしない理由。労基はグレー行為には手出しできない

おそらく一昔前であれば、「退職できないならば、労基にたれこみいれればいい」という発想をまず思いついたかもしれません。しかし、労基は労働基準法に明らかに違反している場合にのみ会社に指導することができます。上記のようなグレー行為の場合は一切口出しはしません。特にパワハラに対しては非常にセンシティブな問題となるので、パワハラの現場や退職できないような言動を録音・録画していないと、労基はアドバイス程度しかすることができないのが現状です。

労基に相談したのがばれて、より退職できない場合も……

労基に相談したのがばれることも

仮に労基に相談して会社に指導が入ったとしても、相談した社員がすぐに退職できるわけではありませんよね。退職は最低2週間前に申し出る必要がありますし、その2週間有給休暇を消化できるかはまた別問題です。上司や会社側からすると、どの社員が労基に相談したかは容易に想像がつくはずです。最低2週間は引き続きプレッシャーに耐えなければなりませんし、会社側の報復として「損害を被ったから裁判する」、「有給休暇を使わせない」、「残業代を払わない」、「退職できないように精神的に追い込む」といった嫌がらせをすることも考えられます。

労基への相談は脱税絡み。退職できない相談は弁護士へ

労基への相談は脱税絡み。退職の相談は弁護士へ

一般的に、労基の対応が非常に速いのは会社側が脱税している場合です。また、残業代未払いなども対応はしてくれますが、十分に証拠が残っていることと、主張している時間が本当に労働に相当するのかを吟味しますので、もしグレーの場合はやはり労基は手出ししません。退職できない事情の多くは「人手不足と言われる」、「辞めたら損害賠償を請求する」、「退職届を受け取ってくれない」といったもの。もし退職できない相談をするならば、労基ではなく弁護士がその範疇となることを覚えておきましょう。

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