日本独自の習慣として根強く残る「医局」。医学生のころに抱いた夢と現実のギャップに苦しんで、医局を辞めることを考えている医師も多いです。そこで、今回は医局を辞める場合のタイミングについてご紹介。いつ、どのようなタイミングで辞めるのが現実的なのでしょうか。
目次
医局をなかなか辞めることができない理由は?
医局は教授を筆頭とした大学病院。そこに従事している医師の中で、辞めることを考えている人の多くは院外助教もしくは助教のクラス。つまり下(大学院生)から二番目、三番目の立場にいる最も「過酷」な人たちとなります。
医局を辞めたいと思っていてもなかなか辞めることができないでいる理由は幾つかありますが、「医局を辞める旨が教授まで伝わらない」ことと、「慰留が激しく、脅迫される」ことが主に挙げられます。
医局を辞めるタイミングがない~退職届が教授に届かない
医局を辞めるタイミングがない理由として、退職届が教授の元に届かないことが挙げられます。医局を辞める場合は、自分の直属の上司に辞める旨を告げますが、上司はその退職の旨をさらに教授に伝えなければなりません。しかし、自分の科が忙しくて人手が足りない場合は、激しい慰留をして退職届を教授に渡しません。
他の病院では働けない?そんな脅迫も実際ある
これは稀ですが、実際あるトラブルでもあります。本当に医局が分院や民間病院に口利きするかどうかは別として、「うちを辞めたら県内では医師はできないよ」とそれとなく告げられるケースは実はあります。
医局を辞める前に転職先は決めておく
医局を辞める前には、転職先を予め決めておくことで精神的にも余裕ができます。医師を続けたい場合は、民間の病院で働くのがベストとなりますが、必ず面接時に現在は医局で働いていることは伝えておきましょう。
また、転職先の民間病院は分院のある、多少規模の大きな病院がおすすめです。医局で働いていたとなると、そこらへんの町医者よりは腕が立つと判断されますし、もし自分でも自身があるなら必ずアピールするべきです。小さな分院であれば、はじめから分院長として採用されることもあります。もちろん年収も大幅にアップするはずです。
医局を辞めるタイミングはいつが理想?
医局を辞める人の多くは「自分が行きたくない科にローテーションのように行かされる」、「ほぼ雑用で自分のスキルが上がらない」、「派閥についていけない」、「別の大学出身だから、贔屓されない(外様)」などが理由となるでしょう。いずれも医局で働き続けている限り解決できない問題となります。
医局を辞める理想のタイミングは、「半年から1年前に退職の旨を伝える」ことですが、辞めるまでの期間は苦痛を味わうことになるのは言うまでもありません。この半年から1年の間は相当長いですし、辞める寸前になって教授が手の平を返して辞めさせてくれない、なんてトラブルも考えられます。
また、一般企業では辞めるタイミングは3か月前が理想となりますが、医局は常に慌ただしく流動的で、また人事異動が決まった後に退職となると上も黙ってはいません。そのため、具体的なタイミングとしては人事異動が決まる半年前。多くの医局の人事異動は4月なので、10月頃に上司に辞める旨を告げるのがベストタイミングとなります。
医局を辞めるタイミングを自分で決めることも可能!
半年ないし1年なんて待てない!いますぐ辞めたい!という医師も多いでしょう。それほど切羽詰まった精神状態なのであれば、医局を辞めるタイミングを自分で決めることもできます。それは「退職代行を行っている弁護士に依頼すること」、もしくは「専門の転職コンサルタントに依頼すること」です。いずれも教授に直談判するタイミングを取計らってくれます。
ただし、おすすめは断然弁護士。コンサルの場合は医局によっては太刀打ちできなく、失敗に終わるケースも珍しくありません。最悪既に決まっている転職先の病院とも破断に終わってしまうことも。医局や病院がどんなに特殊な業界であろうとも、法律では民間企業と同じですので、法的に考えれば退職届を出した2週間後に医局を辞めることができるのです。
弁護士に依頼すれば2週間以降で医局を辞めるタイミングを見計らえる!
言い換えれば、2週間以降であれば、いつでも医局を辞めるタイミングを決めることができます(退職届に退職日を記載)。あとは教授と相談して具体的に辞めるまでの流れや日にちを決め、良い具合の着地点を見つけることとなります。2週間後とは言わずとも、当月頭に弁護士が直談判して、当月末での退職にこぎつけることは十分可能とみられます。
ただし、医局は大きな病院の集合体でもあるので、やはり特殊といえば特殊。弁護士もその業界での退職代行の経験があるところを選ぶといいでしょう。
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