業務委託の契約途中でも解約したい特別な事情がある場合はどうしたらいいのでしょうか。違約金・賠償金を支払う必要はあるのでしょうか?今回は違約金を払う必要がなく契約解除をする方法をご紹介します。
目次
業務委託の契約途中に解約。委託者側と受託者側がある
「業務委託契約の途中に解約したい」のは業務委託を依頼する委託者側と報酬を受け取る受託者側双方に考えられます。
まずは委託者側が契約途中に解約したい場合は、労働者の保護の観点からなかなか難しく、違約金を受託者に支払うのが通常となります。
法律や裁判の判例から見ても、受託者が利益を享受できる契約途中解約であれば問題なしと見なされますが、そうではなく、「受託者の力不足のため」といった理由で業務委託契約を途中解約することは許されないとされるのが慣例となります。
受託者が業務委託契約を途中解約したい!違約金は発生する?
一方で受託者が業務委託契約を途中解約したい場合、違約金は発生するのでしょうか?
まず、受託者が仕事を引き受ける業務委託には、「委任契約」と「請負契約」の2種があります。委任契約は仕事に対する契約及び報酬の支払いとなり、請負契約は成果物に対する報酬となります。
例えばグラフィックデザインやホームぺージのシステム制作などは請負契約に当たります。この場合は任務の完遂が条件となるので、途中解約したい場合、「半分までは作ったので、報酬の50%下さい」と請求することはできません。むしろ、受託者が業務委託契約を途中解約したことによって、依頼主となる委託者側が損失を被ってしまった場合、違約金を請求される可能性も十分にあります。
フリーランスの業務委託契約は「請負契約」が多い。契約の途中解除は注意を払おう
一人で自宅作業しているAT系のフリーランスの中で、エンジニアやWebライター、Webデザイナーの仕事を請け負っている人の多くは請負契約となります。病気やプライベートの問題、仕事上のトラブルで業務を遂行できない場合、途中契約解除で違約金が発生することがあります。ただし、業務委託契約を交わしている取引先担当者と日ごろからリレーション(人間関係)を作っておけば、こちらの事情を汲んでくれて、損害賠償請求など大きな問題には発展しないことがほとんどです。
委任契約なら違約金無効で業務委託契約を途中解約できるって本当?
委任契約はコンサルティングやマーケティング契約などが該当します。システム契約も長期にわたる保守メンテナンス契約などは委任契約に該当します。
この委任契約の特徴としては、「委託者側と受託者側の双方が自由に途中解約できる」ことにあります。そのため、受託者の立場になると、「翌月契約の解約を言い渡される可能性はあるが、仕事内容に気に食わない場合は、こちらからすぐに契約解約を訴えることができる」ということになります。
この場合、業務委託契約書に特別な取り決めをしていない限り違約金が発生することはなく、仮に委託者が違約金を請求してきても合法的に退けることができるものとされます。
業務委託を途中で解約したい場合は、「中途解約条項」を確認する
業務委託を途中で解約したい場合は、まずは最初に交わした契約書に含まれている「中途解約条項」を確認してみましょう。中途解約条項には業務委託契約を途中解約したい場合の方法や違約金の発生の有無などの記載があります。もし違約金の金額が高額になる場合は、現実性があるのかどうか・請け負った仕事の報酬に対して、違約金の金額は妥当なのかどうかが焦点となります。
ただし、法務部がしっかり機能しているような大手企業でもないかぎり、実際に中途解約条項を確認してみると途中の契約解除に伴う条件や違約金、金額の上限等の記載はないのが普通です。そのため、想像以上に企業から高額の違約金や損害賠償を請求されて裁判に発展する事例が後を絶ちません。本来であれば業務委託契約書に目を通して署名をする前に、中途解約条項の具体的な項目や金額を詰めるのが良いのですが、実際受託者側から申し出るのは現実的ではありません。
業務委託契約を途中解約。違約金なしで即日解除する方法
業務委託契約を違約金なしで即日解除したい場合は、具体的にどうすればいいのでしょうか。
まずは依頼者に対して途中契約解除を申し出ることです。契約書に中途解約条項が設けられていなければ、違約金の有無は依頼者から言ってこない限り無視でいいでしょう。
そもそも業務委託契約とは委託者と受託者の間で信頼関係があることが何よりも重要と考えられているため、仕事内容に不満があり、依頼者とから引き続き仕事を請け負うことが困難な場合は、信頼関係がすでに破綻しているものと見なされます。
そのため、委託者(取引先)が違約金を請求してきたり、契約の途中解約を認めない場合でも、委託者側に明確な損失金額がないため退けることができるでしょう。
また、委託者側が書面にて損失額と内訳を明示し、損害賠償として請求をしてきても、すぐに対応する必要はありません。会社の損失と受託者の契約解除との強い因果関係が認められないことが多いですし、基本的に弁護士を雇って話し合いをすることで示談で収まることがほとんどです。委託者側も本気で損害賠償を取ろうとは思っていないでしょう。
損害賠償請求された時の注意点:依頼者が顧問弁護士を雇っている場合
中小企業で顧問弁護士を雇っているところは少ないですが、税理士や行政書士は経理処理の仕事を依頼するため、どの会社も必ず1社は贔屓にしているところがあります。彼らは法律の専門家でもあるため、企業側が相談をしたら法律に基づいて違約金の請求をしてくる可能性があります。また、本気で損害賠償請求を検討しているならば、弁護士となる法律事務所に相談することもやぶさかとは思わないでしょう。
仮に弁護士経由で損害賠償請求された場合は放置することはできません。労働問題に詳しくない素人が個人で立ち向かうことはできませんので、こちらも弁護士に依頼するのが被害を最小限に抑えるポイントとなります。
業務委託を途中で契約解除したいけど弁護士費用が高い!無料法律相談はできる?
業務委託を途中で契約解除したいけど、取引先から違約金や損害賠償を請求されるリスクを孕んでいる場合、契約解除を申し出る前に専門家に法律相談をするのがおすすめです。「でも弁護士は相談するだけでお金が掛かるんでしょ?」とイメージされる人もいるでしょう。確かに弁護士事務所によっては30分5000円を相場に相談料を取る事務所も少なくありません。しかし、昨今は無料で法律相談ができる場所もあります。
法テラス│無料相談できるかデメリットが実は大きい
法テラスは個人が無料で弁護士にオンラインMTGツールを用いて相談できる公的機関となります。30分程度の相談を無料でできるメリットがありますが、実は利用にあたり欠点ともいえる大きなデメリットが3つあります。
1.相談できる弁護士は経験が浅く実績がほとんどない
法テラスに契約している法律事務所は、主にネット集客を目的としています。法テラスで無料相談を受けて、実際依頼してもらう際は通常の弁護士費用を請求します。そのため、最初の窓口となる法テラスの弁護士は弁護士資格を取ったばかりの初心者であることが多いです。
2.法テラスの利用は収入制限と審査がある
法テラスを利用できるのは収入が一定以下の個人に限ります。幾種の申請書類の提出はもちろん、収入と資産証明書も必要となり、厳正な審査に通る必要があります。
3.審査が下りるまで数週間~1か月以上の期間を要する
実はこれが一番ネックとなります。申請書類を提出してから審査が通るまで最大1か月以上時間を要することになります。取引先から損害賠償請求を受けて、それほどの時間何もせずに相手が待ってくれるのであればいいのですが、緊急の対応が必要な場合、法テラスの利用は現実的ではありません。
退職代行を扱う弁護士事務所│通常の弁護士費用よりも安く済む可能性が高い
退職代行サービスを扱う弁護士は労働問題を専門に扱い、主に個人の中でも一般所得者層を客層としているため、法外な弁護士費用を請求することはほとんどありません。通常の弁護士に依頼すると相談費用が掛かるのも普通ですが、退職代行サービスを提供している弁護士であれば、最初の相談は無料であるのも普通です。
無料相談│業務委託契約のフリーランス向け。違約金のリスク&トラブル解決
東京に事務所を置く「弁護士法人みやび」は個人向けに退職代行サービスを提供する法律事務所です。他の事務所と差別化を図るため、EmailだけでなくLINEで相談できるのが大きな特徴。退職代行料金は5万5000円と格安で依頼できるほか、有休消化や残業代等各種請求ができるだけでなく、今回のように取引先から損害賠償や違約金を請求されている場合の交渉代行も可能です。
取り分け最近は個人事業主(フリーランス)の増加に伴い、業務委託契約におけるトラブルの問い合わせが非常に多くなってきたようです。業務委託契約はフリーランスである受託者側に不利な内容が盛り込まれていることもよくありますので、取引先との間でトラブルが発生した際は、自力で解決しようとせず、なるべく早く弁護士事務所に相談するようにしましょう。
弁護士法人「みやび」は東京に本社を置き退職代行サービスを提供している法律事務所です。
「無料LINE相談」、「即日対応可」、「転職サポート」、「残業代・退職金・慰謝料各種請求」に対応。退職代行の利用は基本料金5万5000円(税込み)と一般企業並みの安さも特徴。
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