個人事業主の業務委託と定番トラブル対処法を解説

業務委託がメインの個人事業主。ありがちのトラブルを知ろう

一人もしくは零細の個人事業主は会社側から業務委託を請け負って経営を地道にするのが普通です。しかし、業務委託契約の場合は取引先に足元を見られがちで、トラブルも多発します。そこで、今回は業務委託を請け負う個人事業主の注意したいトラブルと解決方法をご紹介します。

個人事業主の業務委託:契約書を締結していない場合はどうなる?

契約書を交わしていない業務委託の場合はどうなる?

個人事業主の中には「取引先によっては業務委託契約書を交わさないこともある」と言う人も少なくありません。話を進めるうちに契約書で署名捺印を交わすタイミングを逃してしまったり、契約書を送ったけど相手が返送してくれないまま何か月も過ぎてしまった、といった場合は契約書が手元にないまま毎月の業務を行うことになります。

実際の依頼内容などはメールやチャットのやり取りを証拠とすることもできますが、一般的にメールのやり取りで契約解除条項や違約金の有無、契約期間といった取り決めを打ち合わせすることはありません。

個人事業主が業務委託契約書を交わさないまま業務を続けると、以下のデメリットがあります。

  • 成果報酬の取り決めができない
  • 当月に突然契約解除される
  • 著作権の帰属関係が分からない

特に困るのが後払いによるプロジェクト参画です。プロジェクトの途中で契約解除されて数百万円の支払いを拒否されるケースもあります。契約書がない以上裁判を起こしても結果は芳しくありません。

個人事業主が取引先に出向して業務:業務委託におけるトラブル事例

個人事業主が取引先に出向して業務する場合の、業務委託におけるトラブル例

個人事業主が取引先の職場に出向して業務するケースでは、エンジニアやアプリ開発など、主にIT関連の業態で見られます。この場合のトラブル例として挙げられるのが「業務委託なのに残業を強いられる」、「労働条件が出向先で働く従業員と変わらない」ことが挙げられます。

解決策

残業の強制にしろ、労働条件が通常の従業員と同じような形になっている場合、法的には業務委託の範疇を超えて、労働者として扱われることが多いです。そのため、残業代の申請もできますし、場合によっては出向先の企業は有給休暇を取得させなければならなかったり、何年も働いているのであれば、退職金も支払う必要が出てきます。個人事業主は「契約条件と異なるので、契約の撤回」を求めたり、上記残業代や有給の請求をすることができます。

個人事業主が取引先と業務委託契約時に「同業他社への転職の禁止」を条件としているトラブル事例

個人事業主が取引先と業務委託契約時に「同業他社への転職の禁止」を条件としているトラブル例

こちらもよくある例の1つ。個人事業主が取引先と業務委託をする際に交わす契約書に「契約終了後、2年間の同業他社への転職を禁止する」という項目があることです。その場で気づくときもあれば、契約終了後に取引先に指摘されて気が付かされることもあります。これは取引先が個人事業主に対して、ライバル企業に転職してほしくないと考えているからです。

解決策

基本前提として、企業は契約時に、個人事業主だろうと従業員だろうと、相手に転職の自由を奪うことは禁止されています。これは職業選択の自由が憲法で保障されているからです。もしライバル企業に転職してほしくない場合は、「競業避止義務規定」と言う契約を、現状の業務委託契約終了後に新たに個人事業主側と結ぶ必要があります。しかし、すでに業務委託契約は終了しているので、個人事業主側がこの契約を結ぶメリットはまったくありません。そのため無視してかまいません。

個人事業主が業務委託契約のトラブル。まずは契約書を再度確認

個人事業主が業務委託契約のトラブル。まずは契約書を再度確認

個人事業主が業務委託契約に関してトラブルを抱えてしまった場合、まずは冷静になって依頼者と交わした業務委託契約書の内容を再度確認してください。

例え相手が会社組織であっても、大手企業や法務部を設置している会社でない限り、契約書のどこかには何かしらの不備や穴があるものです。

例えば損害賠償請求や違約金トラブルの際は、どのようなケースで損害賠償が発生し、また計算方法や請求額の上限なども記載されているか確認してください。

突然契約解除されて報酬も支払われない場合は、契約期間と中途解約条項の内容を確認しましょう。ただし、契約途中の解除条項や違約金規定に関しては、契約時に修正を申し出ることは個人事業主にとっては酷となります。そのため、トラブルとなるほとんどのケースは契約書面では曖昧な違約金・損害賠償が焦点となります。

業務委託契約の個人事業主のトラブルで相手が支払う意思がないor損害賠償請求されている場合

業務委託契約のトラブルで相手が支払う意思がないor損害賠償請求されている場合

業務委託契約のトラブルが大きくなると、相手がまったく支払う意思を見せないこともありますし、その逆に損害賠償請求されることもあります。受け取れない額、あるいは請求される額が数十万円であっても個人事業主にはかなり痛いです。

ではそのようなトラブルに陥ったときは、どうすればいいのでしょうか。

一般的に企業の多くはフリーランスや個人事業主を軽視する傾向にあるので、自分が会社に立ち向かい交渉に臨もうとしても、突っぱねられてしまう可能性が高いです。

自分に責任があるか依頼主が理不尽かはこの時点では関係ありませんので、まずは弁護士に相談するべきでしょう。

政府・団体が実施している弁護士の無料相談のメリットとデメリット

政府・団体が実施している弁護士の無料相談所のメリットとデメリット

政府・団体が個人事業主向けに弁護士の無料相談を実施していることもあります。有名なサービスは「法テラス」と「フリーランス・トラブル110番」です。いずれも最初は無料で弁護士に相談できるのがメリットとなりますが、その一方で本格的に相談すると、やはり個人事業主にとってはかなり高い料金が見積もられます。

また、フリーランス・トラブル110番における無料サービスは「和解あっせん」となります。これは弁護士など第三者が介入して個人事業主と依頼企業の三者で和解交渉をすることです。交渉はzoomを使うのが一般的ですが、基本的に相手はこの和解あっせんにはのってきません。

法テラス:https://www.houterasu.or.jp/

個人事業主の業務委託契約トラブルは労働基準監督署は解決してくれない

個人事業主の業務委託契約トラブルは労働基準監督署は解決してくれない

個人事業主は会社の社員ではないため、一般的な労働法が適用されません。労働基準監督署は会社員のための法律相談となるので、ある程度の法令知識は教えてくれるかもしれませんが、基本的に介入や解決に向けた積極的な情報提供はないと思った方が良さそうです。

一方で上述したように、個人事業主が業務委託契約にも関わらず依頼先の従業員と同じような扱いを受けている場合は、偽装請負という重大な違法性が指摘され、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰則が考えられます。

個人事業主が業務委託でトラブルが発生したときの解決方法

個人事業主が業務委託でトラブルが発生したときの解決方法

個人事業主は労働者ではありませんので、取引企業側は労働法に従う必要はありません。そのため、場合によっては「理不尽な契約であることがわかったので破棄したいけど、賠償請求をされる」といったトラブルも有り得ます。

業務委託でのトラブルが発生した場合、どうしても個人事業主は弱者となり不利な立場を迫られます。賠償金請求やトラブルを抱えた際は、法律の専門家である弁護士に相談するのがおすすめとなりますが、上述した方法では依頼料が賠償請求よりも高くつくことが一般的です。

そこでおすすめなのが、業務委託契約や個人事業主が抱えるトラブル解決案件を請け負っている小規模事務所の弁護士です。安く請け負ってくれますし、相談は無料でLINEのチャットで打ち合わせ可能なところもあります。

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