新型コロナウイルスがもたらした被害は健康面だけに留まりません。
中でも仕事のあり方は大きな変革時期にきたとも言えます。緊急事態宣言発令からテレワークを導入した会社もあれば、休業を余儀なくされた会社もあります。
失業者の数も急増し、リーマンショックを超える世界恐慌とも言われている一方で、退職を希望する人も増えているようです。
「廃業や事業縮小などで仕事を失う人が多くいる中仕事があるだけ幸せ」
そんな声もあるようですが、退職を希望する「続けたくても続けていくことが難しい」人が多くいるのも事実です。コロナ渦の中で仕事を続けていく事が困難だと感じる日本の社会の実情をご紹介します。
目次
新型コロナの健康面の不安から退職へ
新型コロナの感染は世界中全ての人々の不安要素となっています。感染すると重症化しやすい基礎疾患を抱えている人は、仕事を続けてい行くことで命の危険が高まる可能性も否めません。
基礎疾患とは
・糖尿病
・肺気腫などの肺疾患
・心不全などの循環器疾患
・抗がん剤治療中のがん患者
・透析患者 など
新型コロナ以降はテレワークの導入が会社の義務のようになっていますが、それでもテレワークが可能な業種は全体の一部にとどまりますし、仕事での人との接触や満員電車での通勤は、これらの基礎疾患を抱えている人にとって脅威となります。
妊娠・育児の仕事との両立
働く女性の中でも妊娠中・育児中の女性は約4人に1人が自主退職したという統計もありました。妊娠中は感染した際の投薬治療への懸念や胎児への影響も心配されています。企業側としてもテレワークの環境整備に多額の資金が必要となるケースがあり、これから産休に入る社員への環境整備が難しいこともあるといいます。
子育て世代は緊急事態宣言中の休校により、育児と仕事の両立は非常に困難を極めます。長期仕事から離れる不安や事態の長期化への不安もあり、休職ではなく退職を選択する人も多いようです
テレワークへの不安
テレワークが普及していく中でテレワークに不安を抱える人も少なくありません。子供が自宅にいる際、集中して仕事に取り組めないと悩む人もいれば、テレワーク中の仕事の評価基準に疑問を抱く人もいます。
また、自分の足で顧客を獲得してきたと自負している年配社員は、テレワークについていけず、会社にとって自分は不要なのではと感じている人も少なくありません。
企業側も社員の労働実態を把握しにくいことやセキュリティーの問題、働く側は評価や仕事の環境を整える難しさなどテレワークの課題も依然として多いようです。
コロナ渦の中の退職のメリット
仕事を辞めて一番の不安要素は収入面となります。ただ、そんな不安な中でも「仕事を辞めてよかった」と口にする人も実は多くいます。健康面で感染のリスクを抑えるメリットのほかにも、アフターコロナを見据えて次の会社選びができるチャンスととらえる人もいます。この業況化でも廃れない業種を見極めたり、自分のスキルを見直すいい機会にもなります。
また、子育てとの両立の為退職した人は、家族との時間を楽しむことができるようになったと語る人もいます。もともとブラック企業で働いていて辞めたいと思っていた人にとっては、退職理由となる大義名分ができたことでしょう。
新型コロナにより失業手当の申請方法にも変化がありました。通常ハローワークへ出向き失業認定手続きを行わなければなりませんが、感染拡大防止策として郵送で行えるようになりました。新型コロナの影響により自己都合で退職した場合、給付制限を適応しない場合もあるので、離職後まずはハローワークに相談するのが得策です。ハローワークだけでなく行政の取り組みも日々変化があるので、仕事を辞める前に確認しておくといいでしょう。
良くも悪くも新型コロナを次のチャンスととらえて
コロナ渦の中での離職の理由は感染防止の他、健康面・育児・テレワークへの不安など理由は様々。安定した仕事を手放すのは不安なことも多いですが、自身のスキルの見直しやアフターコロナでも生き残れる業種への転職、また家族との生活のあり方を見直すいいチャンスかもしれません。また、ハローワークや行政の取り組みも仕事を辞める前にチャックして安心の材料にするのも大切でしょう。
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