家族経営の会社は良くも悪くも法令違反が目立ちます。今の職場を辞めたいけど辞められない人向けにおすすめ退職方法を解説。絶対にしてはいけない辞め方もご紹介します。
目次
家族経営の会社を辞めたい理由No.1は「公私混同」に腹が立つ
家族経営の会社は従業員数名の零細企業がほとんどで、社長と副社長、役員や部長に自分の身内を置くのが通常です。そのため、何の経営理論を知らない社長の息子が部署の部長になると、その下で働く従業員は理不尽な要求に応えなければならなかったりと馬鹿を見ることが多くあります。
また、「社用車を私用で使っているため営業に行けない」、「先日の接待費がなぜか社長の一声で経費で落ちなく自腹になった」、「有給申請をしたら、うちにはないよと言われた」など、公私混同や法令違反が目立つのも家族経営の会社の特徴です。
最初は「家族経営だから風通しがいい職場環境」、「何代も続いているから経営が安定している」、「自分でも重役を任されるので収入が高そう」といったイメージで就職する人がいますが、実際働いてみると、そのギャップに悩まされる人は少なくありません。
家族経営と一般社員の人間関係は良い?悪い?
よくありがちな会社組織として「自分以外の全員が社長の身内」が上がられます。家族経営の多くは中小企業で、外部の従業員は雇っても1人か2人の会社が普通です。
その場合、家族経営者と外部の社員の人間関係は「悪い」場合が多いです。基本的に家族経営は身内が上役を占めるため、一般社員は役員になるのは難しいですし、部長以下の職に留まることが多いです。
また、家族経営者は代々会社を引き継いでいる歴史もあり、大抵の人は経営に保守的です。そのため、やるきを見せる従業員に対しても正当な評価をしないことが多いですし、理不尽なことを言って突然叱咤したりパワハラしたりなど、労働法をまったく意に介しない行動が目立ちます。
家族経営では経営者・社長からの嫌がらせやいじめも多発
家族経営の会社は少人数体制のため、経営者・社長から日ごろ直接業務命令が下ることも多いです。しかし、ご想像の通り経営者・社長は身内以外の社員をストレスのはけ口と見なしていることがあり、しばしば気に入らないことがあると社員に強く当たることがあります。
場合によっては嫌がらせ・いじめのような叱咤を受けることもあり、社員の中には「1日でも早く辞めたい」と考えてる人も少なくありません。
家族経営の会社はストレスばかり!すぐに辞めたい人も多い
家族経営の会社の中でも息子などが直接経営に携わっていたり、自分の直属の上司になってしまうと、毎日の業務がストレスばかり溜まってしまい、「もううんざり」と辞めてしまいたくなります。
家族経営の会社は辞めたいけど辞められないことが多い
しかし、家族経営の会社は具体的な労働法を理解している人がいない場合がほとんどで、会社の就業規則が雇用契約書が何よりも優先されると勘違いしている人が多くいます。自由気ままにやっている家族経営でも、仕事に対してはストレスをためている人も多く、しかし身内を叱咤したりパワハラすることもできないため、一般社員に発散する場合がほとんどです。そのため、そのような“都合のいい社員”を辞めさせたくはなく傍に置いておきたいというのが家族経営者の本音でもあります。
家族経営の会社で働いている人の中には、以下のような問題を抱えている人もいます。
- ぎりぎりの従業員で回しているため、人手が足りないと辞めさせてくれない
- 「うちは有給はない」と有給消化させてくれない
- 「代わりの人を見つけるからもう少し待って」と退職届を受け取ってくれない
- 「いま辞めたら今月分の給料やボーナスは返してもらうよ」と言われる
などは家族経営の会社の常套文句となります。上記項目はすべて法律違反であり、従業員は会社の意向関係なく退職することができますし、場合によっては損害賠償を請求することも可能です。
家族経営の会社で絶対避けるべき辞め方
家族経営の会社は社長が法に疎いことが多いです。そのため、特に会社に不満を漏らして辞める従業員に対しては、かなり悪質な対応をすることが多く、しばしば大きなトラブルに発展することもあります。
そのため、これから家族経営の会社を辞めたいと考えている人も、以下の辞め方は絶対に避けてください。
家族経営の会社で「ばっくれ」て辞めるのは禁止
家族経営の会社といっても一般企業と同じように、そこで働く従業員に対しては社会保険に加入しています。そのため、ばっくれてしまうと、会社側は「もしかして事件に巻き込まれているのでは?」と従業員の実家などに連絡を取ることになります。退職の意思を従業員から示さない限り会社側は辞めさせることができないため、ばっくれは避けるべきと言えます。
家族経営の会社のおすすめの辞め方
家族経営の会社に勤めている従業員に対しておすすめの辞め方は「合法的に辞める」ことです。法律に基づかないで感情論だけで相手とぶつかり合ってしまうと、会社側に勝ち目はありません。
ただし、上記で紹介したような会社側に違法性が高い行為が散見されるのであれば、法律に則って辞めることによって、会社側は文句を言うことができなくなります。
退職届を出して2週間後に辞めることができるが注意点もある
民法によると退職の旨を会社に伝えた2週間後に退職できるとあります。俗にいう「退職2週間の法則」というものになりますが、こちらを実行するためには以下の注意点があります。
- 会社側が社会保険の脱退をしてくれない可能性がある
- 会社側が離職票を送ってくれない可能性がある
- 会社側が有給休暇の手続きをしない・残業代を支払わない・当月分の給料を振り込まない可能性がある
上記はいずれも会社側の悪質な嫌がらせであり違法行為となりますが、これを従業員が自力で会社側に是正を促すのは実はかなり困難です。
ちなみに離職票を送ってくれないとハローワークで失業保険を受け取ることができませんし、社会保険の脱退手続きをしてくれないと、事実上家族経営の会社を退職していないことになるため、転職する際に大きな障害となります。
家族経営の会社を辞めたいと言ったら「損害賠償請求」された!
家族経営の会社に辟易して退職届を社長に提出したところ、
「君が辞めたら業務が滞るから、その分の損害賠償を請求させてもらうよ」
「この前失敗して備品壊したよね?その分の修理費用請求するよ」
などと損害賠償請求をちらつかせて辞めさせないように仕向ける人もいます。すでに心身ともに病んでいる社員の中にはその言葉を鵜呑みにして、いつまでも辞めることができないでいる人もいるでしょう。
人手不足や業務上の失敗を理由に損害賠償はあり得る?
結論から言うと、人手不足や業務上の失敗を理由に損害賠償は「あり得ません」。人手不足は会社の責任であり従業員は関係ありません。また、業務上の失敗による会社の損失に関しても、ミスをした社員が労働法や会社規則に違反する行為をしていない限り原則認められません。
理由は主に2つあります。1つ目は社員の失敗による損失は、従業員を雇用する上で容易に想定される会社リスクの1つだからであり、そのリスク(損失)は使用者(個人経営の会社)が負うべきとされています。
2つ目は、仮に従業員が大きな損失を会社に与えてしまったとしても、従業員は日ごろ会社に利益をもたらしているため、会社側は不利益も同様に受け入れるべきというのが裁判の判例となります。
第三者に退職交渉を代行してもらうなら「退職代行」がおすすめ
自力で会社側に退職を申し出ると、上記のようにトラブルに発展することもあります。すんなりとブラック体質の家族経営の会社に一旦入社してしまうと、なかなか辞めさせてくれないことが多々あります。
そのため、家族経営の会社を辞めたい社員におすすめしたいのは、第三者に退職の交渉をしてもらうことです。
「退職代行」は依頼者の代わりに退職の交渉を会社にしてくれるサービスで、2010年頃から普及をはじめ、一般企業と弁護士事務所が提供しています。ただし、家族経営の会社は労働法や民法を無視した理不尽な対応をされることが予想されるため、一般企業の退職代行業者では失敗する可能性も少なくありません。
そのため、確実に辞めたい方は、料金もそれほど変わりありませんので、弁護士事務所に依頼するのがおすすめです。
依頼した後は自分ですることはなく、自宅待機して退職日までやり過ごすだけとなります。
弁護士法人「みやび」は東京に本社を置き退職代行サービスを提供している法律事務所です。
「無料LINE相談」、「即日対応可」、「転職サポート」、「残業代・退職金・慰謝料各種請求」に対応。退職代行の利用は基本料金5万5000円(税込み)と一般企業並みの安さも特徴。
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