退職代行サービスのデメリットとは?弁護士に依頼するべき本当の理由

退職代行サービスを使うデメリットってどんなの?

近年利用者が増えている退職代行サービスですが、ネットで調べてみると、退職代行の魅力ばかりが紹介されています。しかし、メリットの裏にはデメリットがあるように、退職代行と言えども万能ではありません。

また、退職代行サービスを提供しているのは弁護士と民間業者がありますが、弁護士に依頼するべき本当の理由は案外知られていません。そこで、今回は退職代行のデメリットを紹介するとともに、弁護士に依頼するべき理由に関しても考察していきます。

目次

退職代行で誤解しやすいデメリット。「即日退職ではなく即日対応」の意味を知ろう

退職代行のデメリット① 「即日退職ではなく即日対応」の意味を知ろう

退職代行を利用する人の中で「利用した日に会社を退職できる」と考えている人がいたら、それは誤解となりますし、退職代行のデメリットとして考えられるかもしれません。

基本的に退職代行がPRしているのは「即日対応」であり、その日のうちに退職の旨を会社側に伝えますよ、というだけとなります。会社の同意があれば即日退職することもできますが、現実的ではありません。民間業者のホームページでは「即日退職」と言う言葉がよく使われていますが、これは「退職代行側が会社に連絡した日から依頼者は出勤する必要はありませんよ」という意味となります。

退職代行のデメリットは「明日から会社へ行く必要がない」というわけではない

退職代行のデメリット② 明日から会社へ行く必要がない、というわけではない

退職代行のPRでは、「翌日から出社の必要なし」のようなセールストークをサイトに載せているところも多いですね。しかし、それは少し異なります。退職代行のデメリットでもあるかもしれませんが、退職代行は法律に基づいて退職の意向を会社側に示すので、法律に記載のある2週間後に退職日を設定します。

つまり、最低でも2週間は出社の必要があるのです。ただし、この2週間を有給休暇や欠勤扱いになれば、会社に行く必要はありませんよ、という意味となります。退職代行に依頼した日から会社に行く必要がない、という情報が独り歩きしていますが、実際には上述した条件があることはデメリットとして覚えておきましょう。

民法627条
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

民法電子版(総務省)

民間業者に依頼する退職代行のデメリットは有給休暇や残業代の交渉ができない

退職代行のデメリット③ 民間業者の場合、有給休暇や残業代の申請はできない

有給休暇や未払いの残業代、退職金など、いわゆる金銭が絡む交渉は、民間の退職代行業者は行うことができません。彼らができるのは、あくまでも「〇〇さんが退職したいと言っていますので手続きしてください」と代わりになって伝える伝言の役割のみとなります。

逆に、有給休暇の消化や未払いの残業代などの交渉をしたいのであれば、弁護士事務所へ退職代行を依頼することになります。

労働組合加盟の業者も含め、民間業者は料金が安い(2~5万円)メリットの裏側に、会社への対応に制限があることがデメリットとなります。一方で弁護士は、料金は割高(5~7万円)がデメリットになる半面、どのような案件や交渉もすることができるのがメリットとなります。

退職代行サービスは元々弁護士だけの業務

退職代行サービスは元々弁護士だけの業務

退職代行サービスは実は古くからあるサービスですが、弁護士だけが提供できるものだったため、あまり知られていませんでした。しかし、2010年頃から民間企業も退職代行サービスの提供を始めたため、テレビでも取り上げられて注目され、それ以降はブラック企業に勤める人にとっての最後の砦として支持されるようになりました。

退職代行サービスは弁護士だけ?民間業者の非弁行為は違反の可能性がある

退職代行サービスは弁護士だけ?民間業者の非弁行為は違反の可能性がある

退職代行サービスは現在では民間企業の参入も見受けられますが、依頼する方に知っておいてほしいのは、「退職代行サービスを提供できるのは、弁護士だけ」ということです。

退職代行サービスを利用する方は、往々にして下記のような状況に立たされています。

  • 辞めたいけど辞めさせてくれない
  • 上司からの精神的圧力によって、「辞めたい」と言えない状況にある
  • 退職する際に有給休暇も取得したい
  • 退職する際に未払いの残業代も貰いたい
  • 退職する際に退職金も貰いたい
  • 上司や会社にパワハラ・セクハラの賠償金(慰謝料)を請求したい

大半の依頼者は、上記のうち2つないし3つを退職代行サービス時に依頼します。
ここで問題となるのが、退職代行サービスの業務内容には往々にして「お金が絡む」、「法律うんぬんが大きく絡む」ことです。これらは弁護士のみに許された業務内容となり、これを民間の企業(業者)が行うのは「非弁行為」と違法となります。それを知らずに安さや口コミだけで退職代行の業者を決めてしまうと、大きなデメリットが自分に降りかかってくる可能性もあります。

民間の退職代行サービスの主な対応。それでも弁護士だけにしかできないことがある

民間の退職代行サービスの主な対応

では、退職代行サービスを請け負っている民間の業者はどのような対応をしているのでしょうか。なぜなら、お金にかかる業務ができないとなると、有給や退職金の交渉すらできないので、サービスになりませんよね。そこで民間業者が撮っている行動が下記2つ。

  • 労働組合などに加入して、金銭交渉ができるようにしている
  • 企業と金銭交渉はできないので、“退職の意思を伝えるだけ”を行う

となります。上記のうち労働組合の加入に関しては、基本的に交渉はできるものの、弁護士でも法律家の肩書もない民間業者がブラック企業と交渉したところで、彼らは何も怖くはありません。企業によっては行政書士や顧問弁護士をつけているところも多いので、彼らが出てきてしまうと民間業者は黙るしかなく、依頼した方も退職できなく、より強い風当たりになってしまいます。

弁護士に退職代行サービスを依頼するメリット

弁護士に退職代行サービスを依頼するメリット

弁護士に退職代行サービスを依頼するメリットは、民間業者にできないことができることです。有給休暇の消化も退職金や残業代、賠償金の請求もすべて可能です。

また、どんなブラック企業も強気に出れないのが、相手が弁護士(法律の専門家)です。ブラック企業は違法労働を従業員に強いていることも分かってやっています。そんな企業を一般の民間業者は相手にできるはずもありません。しかし、弁護士であれば話は別。どんなブラック企業も穏便に済ませたいので、賠償金も残業代もほとんどの会社がすんなりと出します。もちろん退職もスムーズに済ませることができます。

退職代行最大のデメリットかも「100%退職できるわけではない」

退職代行のデメリット④ 100%退職できるわけではない

退職代行の最大のデメリットである「失敗」する場合は、以下のケースが考えられます。

  • 会社側も弁護士が出てきて、法廷論争に発展する
  • 民間の退職代行業者では手を出すことができない金銭交渉や法律分野の話になってくる
  • 退職の話が担当者とまとまらない
  • 弁護士や退職代行業者からの連絡を会社側が無視する
  • 何を言っても会社側が退職の手続きをしない

などが考えられます。現在では退職代行業者の存在も周知されてきており、会社側には「従業員が退職代行業者を使って退職を申し出たときのガイドライン」なるものを作っている会社もあります。相手がブラック企業であれば、そこら辺の退職代行では太刀打ちできないことも考えられるでしょう。

デメリットと捉える人も。退職代行以外の付加価値サービスは期待できない!

デメリットと捉える人も。退職代行以外の付加価値サービスは期待できない!

昨今は退職代行サービスを提供する業者も飽和状態となっています。料金はすでにこれ以上下げられないくらい安価となっているので、後は、業者独自の付加価値サービスの提供となりますが、定番となるサービスは「退職届のフォーマットをプレゼント」、「転職サポート」、「失業保険の手続きの手引き」、「転職する際の面接マニュアル」などでしょう。

しかし、いずれもネットを使えば無料ですぐに調べることができますし、転職サポートも付け焼刃なので、大手の退職代行業者であっても「すみません、貴方にマッチした企業はありません」と言われる始末です。

もし退職代行業者を検討している際に、上記のような付加価値サービスで選ぼうとしているならば、あまり期待はしない方がいいかもしれません。

有給がないとこのデメリットは大きいかも「退職日まで嫌がらせを受ける」

有給がないとこのデメリットは大きいかも「退職日まで嫌がらせを受ける」

上述したように、退職代行が会社に連絡をして退職が決定したら、退職日までは有給休暇を消化することによって、会社に行かずに済みます。しかし、有給休暇をすでに消化しきっている場合は、退職日まで出勤しなければならない可能性もあります。その際は、職場の皆に退職代行に依頼していることを知られていることでしょう。退職日まで嫌な先輩や上司からこれまで以上の嫌がらせを受けるかもしれません。

おそらく退職代行を利用する上で、依頼者が最も懸念するデメリットの1つではないでしょうか。

ちなみに、仮に有給休暇がない場合は、無給での欠勤交渉をすることができます。この欠勤交渉が成功するかは、退職代行業者の手腕となるので、できるだけ会社が身を構えるような弁護士事務所に依頼するのがいいでしょう。

公務員の退職代行は弁護士のみが引き受けられる

公務員の退職代行は弁護士のみが引き受けられる

こちらは民間の退職代行業者のデメリットとなります。退職代行が利用できるのは、一般的に民間企業に勤める従業員(正社員・パート・アルバイト・派遣)のみとなり、公務員の退職代行は普通の業者は引き受けることができません。

しかし、弁護士であれば、公務員の退職代行も請け負うことができます。弁護士にとっても公務員の退職代行サービスは難易度は高いので、状況や要望によっては請け負うのが難しいこともありますが、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

弁護士に退職代行サービスを依頼するデメリットもある?

弁護士に退職代行サービスを依頼するデメリットもある?

一方で弁護士に退職代行サービスを依頼するデメリットもあります。

  • 民間業者よりも費用が高い(2万円程度)
  • 弁護士に連絡すること自体に抵抗がある

ただし、次の転職に響くことなく、今のブラック企業の会社をスムーズに辞められるのであれば、2万円程度の費用高は許容範囲内ではないでしょうか。

また、弁護士というだけでなんとなくハードルが高い気がしますが、これも昨今退職代行サービスを提供している弁護士側が連絡を取りやすいように、電話をしたり、直接会う必要はなく、無料のLINE相談サービスですべてを済ませることができます。

無料でLINE相談できる弁護士はコレ

弁護士法人「みやび」は東京に本社を置き退職代行サービスを提供している法律事務所です。

「無料LINE相談」、「即日対応可」、「転職サポート」、「残業代・退職金・慰謝料各種請求」に対応。退職代行の利用は基本料金5万5000円(税込み)と一般企業並みの安さも特徴。

>>弁護士法人みやびの公式HPへ

デメリットとメリットを天秤に。退職代行の魅力を紹介

デメリットとメリットを天秤に。退職代行の魅力を紹介

これまでは退職代行のデメリットをご紹介してきましたが、実際依頼するかどうかは、メリットがデメリットを上回るかを吟味してみるのがいいでしょう。そこで、下記では退職代行のメリット・魅力をご案内します。

1.自分で何をする必要もなくブラック企業を退職できる

いままで辞めたくとも辞められなかった会社を嘘のように自分では何もすることなく辞めることができるのが、退職代行の最大の魅力と言えます。高圧的な態度をとっていた先輩や、パワハラを振るう上司とも金輪際会う必要がなくなると実感すると、これまでのストレスが一気に開放されるでしょう。

2.自分では請求できなかった残業代や有給消化の消化も交渉してくれる

自力で辞めることもできるけれど、その場合は未払いの残業代や有給休暇の消化は諦める必要がある、というケースも多いですね。しかし、残業代も有給消化も、法的に認められた労働者の権利となりますし、両方請求することができれば、数十万円になるはずです。退職代行の相場は5万円前後となるので、十分お釣りがきます。

3.損害賠償を請求された場合は退職代行が解決してくれる

会社の上司や社長と言い争いをしていると、「いま辞めたら会社は損害を被るから、損害賠償を請求するからな」と言われることがあります。sesなどIT業界や代理店の営業などでよく聞く話です。

一般論として、従業員が退職することで会社が損害を被ることはありませんし、仮に得意先から違約金などを請求されたとしても、それは会社と取引先との関係であり、従業員は関係ありません。しかし、会社側は脅しの意味でも損害賠償を請求すると訴えてきますし、ブラック企業の場合は実際顧問弁護士が出てくる可能性もあります。この場合は、従業員側も無視することはできませんので、退職代行を頼んだ弁護士に直接依頼することができます。民間の退職代行業者は交渉することができませんし、労働組合加盟の退職代行業者は法的知識が足りないのと、裁判に発展する事案の交渉はできませんので、もし自分の会社がブラック企業であるならば、最初から弁護士に依頼することがおすすめです。

退職代行の本当のデメリットは「連絡するまで勇気と覚悟が必要」

退職代行の本当のデメリットは「連絡するまで勇気と覚悟が必要」

今回ご紹介した退職代行のデメリットは、予め知っておくことで解決することができます。そのため、本当のデメリットは「連絡するまでの勇気と覚悟」と言えるのではないでしょうか。社会人が第三者に自分の退職を依頼するというのは、人によっては恥ずかしいことと感じるでしょうし、業者に連絡するまでには勇気と覚悟が必要です。

退職代行のデメリットを1つでも減らす方法

退職代行のデメリットを1つでも減らす方法

ここで紹介した退職代行のデメリットを1つでも減らすことができれば、退職代行は非常に心強いサービスとなります。例えば、もし自分の会社が一筋縄ではいかないと考えているならば、最初から弁護士に依頼するのがいいでしょう。退職代行を引き受けている弁護士の中には、民間業者と同様にLINEで無料相談できるところもありますので、まずは相談してみましょう。

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