歯科衛生士を辞めたいと言う人の理由は意外と共通しています。ここでは「歯科衛生士を辞めてよかった」という意見を紹介するとともに、辞めたい場合のおすすめの手順を解説します。
目次
歯科医院では歯医者よりも歯科衛生士の離職率が圧倒的に高い
全国にある歯科医院はおよそ6万8000施設あり、これはコンビニの5万5000軒よりも1万軒以上多い試算となります。歯科医院の多くが激しい競争の中厳しい運営を迫られており、その弊害は現場で働く歯科医(歯医者)や歯科衛生士に及ぶことになります。
しかし、歯科医は重宝される職務となり、どうしても歯科衛生士と比較するとあらゆる待遇に恵まれており、離職率を見てみると、歯科衛生士の方が多く、また後述する退職代行などの利用者層を見ても、歯科衛生士の割合が非常に高いことが挙げられます(近年は歯科医の相談も増えてきましたが)。
歯科衛生士は将来性がない?退職の原因と求人事情
歯科衛生士は日本においては国家資格のため、狭き門をくぐった人しかなれません。また、歯科医院は流行り廃りではなく貴重な生活インフラとなるので、著しく需要や市場が減少することは考えにくいです。
ただし、近年は歯科医院の数が非常に増えている一方、人口減少が続いているため、今後は歯科医院の分母は減ることが想定されています。
また、歯科衛生士には一定の需要と将来性はありますが、それを活かす場というのは歯科業界に限ってしまうため、「もう歯科業界から離れたい」という場合は思い切った転職が必要となるかもしれません。
歯科衛生士を新卒~1か月ですぐに辞めたい人が多い
歯科医院は上記で紹介したように、施設数はコンビニ以上となり、その多くは従業員5名前後の小規模の個人経営となります。歯科医院長と副院長は施設オーナー夫妻が担っているのが普通で、労働法や就業規則などの法令順守に関していささか意識が欠けている人が多いのが実情です。
そのため、新卒で歯科衛生士として勤務を開始しても、組織の体(てい)がない歯科医院に辟易して、1か月や2か月で辞めていく人が非常に多くいます。
歯科院長夫妻のパワハラやセクハラに嫌気がさして辞めたいと考える
女性歯科衛生士の中には歯科院長からセクハラをされたり、他の従業員と異なる対応や食事に誘われることもあります。それを奥様である副院長が知ってしまうと大変なことになり、パワハラをされるようになった、という歯科衛生士も少なくありません。
福利厚生がほぼなく給与/年収が低い。仕事内容にやりがいがない
歯科衛生士の中には「当然社会保険は入っていると思っていたけど入っていなかった」、「年末に確定申告してね、と言われた」など、法令意識の低い個人経営の歯科医院では、節税のために歯科衛生士をアルバイトのような扱いで雇っていて、それを当人に伝えない悪質なところもあります。
また、給与・年収についても歯科医と比べると4~6割ほど低く、年齢を重ねるごとに順調に昇給していく状況にもないのが現実のため、早々に見切りをつけて転職を検討する歯科衛生士は少なくありません。
勤務先に退職金制度がなく有給も使えないため結婚を機に退職を検討する
個人開業の歯科医院では上述したように福利厚生を整備する意識が非常に低く、特に開業数年のうちで退職金制度を整えている歯科医院はほとんどありません。
また、仮に退職金があっても勤続5年から10年で数十万円。10年以上働いても100万円以上にならないことがほとんどです。また、「うちは有給はないから休みたいときは都度相談してね」という歯科医院も良く見受けられます。
しかし、有給がないというのは日本の企業ではあり得ません。有給は会社側が用意するものではなく、国が付与する制度となるので、有給休暇は法に則って必ず取得することができます。
一方でそのような過酷な職場環境に耐えられない歯科衛生士の中には、結婚や妊娠を機に退職を検討する人も少なくありません。普段はパワハラや高圧的な院長・副院長に対して進言できる貴重な機会となるので、なんとしてでも退職したいと考えるようになるようです。
辞めたい歯科衛生士にはスタッフ間の人間関係に「病む」人も多い
歯科衛生士の中には心が「病む」人も少なくありません。上述したように歯科衛生士の職場は狭いですし、上司となる歯科医や院長との人間関係が悪い場合、中々問題を解決できずに毎日顔を突き合わせなければなりません。
個人歯科医院の場合は歯科衛生士も1人か2人程度しかいないので、相談できる同僚もいないかもしれません。また、逆にお局的な歯科衛生士の先輩がいることも珍しくありません。1回のミスを連日追求されたり、院長からパワハラを受けたりする場合、その職場で働いている限り、自分がターゲットにされてループすることになります。
歯科衛生士を辞めたい!「辞めてよかった」という意見を紹介!
歯科衛生士として今現在働いている人の中には、「もう仕事を辞めたい!」という方もいるでしょう。そこで、以下では歯科衛生士の仕事を辞める前に、「歯科衛生士を辞めてよかった」という意見をご紹介します。
歯科衛生士よりも給料が上がったときに「辞めてよかった」と思える
歯科衛生士の仕事を辞めてよかったと思えるときは、「他業種への転職に成功したとき」です。歯科衛生士は専門学校や短大で最短3年後になることができますが、基本的に一般の四大卒と比べると給料面で格差があります。
ただし、歯科衛生士で培ったマナーや礼儀作法や事務職でも十分通用できますし、臨機応変に柔軟な対応が求められる職務は営業事務にも通じます。
「歯科衛生士のときよりも給料はがくって下がると思ってたけど、むしろ上がった」
という場合は歯科衛生士を辞めてよかったと思える一瞬でしょう。
歯科衛生士よりも福利厚生が断然いい職場に転職できたときに「辞めてよかった」と思える
個人経営の歯科医院に勤めている歯科衛生士は上述したように福利厚生に難があります。少ない従業員で回すため、歯医者も歯科衛生士も土日休みがありませんし、サービス残業を強いるところも普通にあります。
それに嫌気がさして歯科衛生士を辞めて他業界に転職した際、
「いまの職場は土日祝が完全休日なので辞めてよかった」
「社会保険はもちろんだけど、年金以外にも持ち株制度があるのがうれしい」
「フレックスタイム制だから子供を学校におくった後に出勤できる。歯科衛生士のときじゃ考えられない待遇」
といった成功体験例も実際に報告されています。転職に成功するコツとしていは、事前の業界研究となります。
歯科衛生士に向いていない人はどんな人?
では、上記を踏まえて歯科衛生士に向いていない人とはどんな人なのかを以下に紹介します。
- キャリアアップを強く望む上昇志向の人
- 歯科衛生士の相場よりも多くの年収・収入を得たい人
- 企業・組織の中で働きたい人
- 土日祝の休みなど安定した生活をおくりたい
といった人が挙げられます。
歯科衛生士を辞めたいけど転職に不安がある人も多い
歯科医院を辞めたいけど辞められない人の中には「転職した先でも同じような境遇で辞めたいと思ったらどうしよう」と考えている人もいます。
確かに新しい職場が本当にホワイトかは分かりませんし、転職した仕事が自分に合っているかどうかは、実際に働いてみなければ分かりません。
しかし、仮に転職先でも似たような状況に陥いるのであれば、「また転職すればいい」だけです。歯科衛生士の需要は必ずありますので、我慢してでも嫌な職場で働かなければならない仕事ではありません。
歯科衛生士を辞めたい!資格を活かせる転職先の仕事紹介
歯科衛生士の仕事を別の業種・職種で活かしたい場合は、どういった勤務先があるのでしょうか。
- 歯科材メーカー
オーラルケア製品の営業・企画・マーケティング・事務などが挙げられます。歯科医院を職場にしたくない人におすすめです。 - 保健センター
歯科保健指導が主な仕事です。セミナー参加や幼稚園・学校に訪問して子供たちに歯磨きの仕方を教えたりします。ただし保険所は地方公務員となるので、当該自治体の公務員採用試験に合格する必要があります。
また、歯科衛生士の資格は直接的に必要なくとも、飲食やエステサロンなど接客が重要視される業界では歯科衛生士で培ったノウハウを活かせるはずです。
退職代行を使って歯科衛生士を辞めたい時に辞める:退職届~転職まで
歯科衛生士を辞めたい場合、歯科院長に退職の旨を告げてスムーズに辞めさせてくれるのであればいいのですが、院長が傲慢であったり、明らかに人手不足の場合は、退職届を受け取ってくれなかったり、退職の手続きをしてくれないこともよくあります。
また、強引に辞めてしまうと離職票を送ってくれず、失業保険の申請ができなかったり、当月の給料や残業代を振り込んでくれないこともあります。
そんな歯科医院に勤めている歯科衛生士は、以下の手順を参考に退職代行業者に手続きを依頼してみてはいかがでしょうか。
- 歯科院長に退職届を提出する
- 断られた場合、いつなら辞められるかを相談する
- 辞めさせてくれない場合や、退職日まで心身がもたないのですぐに辞めたい場合は、退職代行業者に問い合わせする
- 退職代行業者に相談&依頼
- 退職代行業者の担当者が歯科院長に電話する日を決めて、その日以降出勤はしないため、引継ぎや備品返却の準備をしておく
- 退職代行業者が歯科院長に退職の連絡をする
- 退職日まで有給休暇の消化をする
退職の旨を伝えてから退職日までは最短で14日と法律で決められています。そのため、有給が14日以上あればすべて充てることができますし、なければ無給の欠勤の交渉をすることになりますが、多くのケースは当日付けで退職できます。歯科医院としても無駄に社会保険を払いたくないと考えるためです。
歯科衛生士を辞めたい人が退職代行に依頼するメリット
歯科衛生士を辞めたいけど院長や副院長に退職届を出してもスムーズに辞められそうにない、という人も全国に大勢います。上記でも説明したように、個人開業医の中には労働法を守る意識が低い経営者も少なくありません。そのような経営者の元で働いてしまうと、「退職届を受け取ってくれない」、「辞めるなら後釜を見つけてこいと言われた」、「今辞められたら損失分を請求する」と嫌がらせを受ける可能性もあります。
退職代行サービスは弁護士が提供している「辞めたいけど辞められない人」に向けた代行サービスです。歯科衛生士を辞めたい人に代わって、
- 退職の連絡および手続きを代行
- 有給休暇の消化申請の代行
- 退職金制度があれば請求代行
- ハラスメントを受けた場合の慰謝料請求
- 未払いの給与・残業代の請求
などを依頼することができます。弁護士以外にも一般の業者も退職代行を提供していますが、有給休暇の消化含む金銭の伴う交渉を弁護士資格のない者が行うのは法律で禁じられています。
歯科衛生士を辞めたいけど「タイミング」は考えるべき?
歯科衛生士を辞めたい人の中には「退職するタイミングはある?」と考えている人もいます。オフィス街にある歯科医院に勤務すると、4月や10月といった時期は職場の異動や転勤の時期と重なるため、繁忙期に該当します。それ以外では年末年始や新学期がはじまる3月なども多少忙しくなるでしょう。
しかし、歯科医院にとって「この月だけは外してくれ」といった月・シーズンはないはずです。また、1日でも早く辞めたいと考えるのであれば、自分の退職と転職活動を優先した方が良いでしょう。
歯科衛生士を辞めたいけど「人手が足りないから辞められたら困る」と言われた場合
歯科衛生士を辞めたいけれど、院長から「いまはギリギリの人員でやっているから、辞められると困る」、「君が辞めるとうちは損害を負うから請求する」と脅しのように引き留められて焦燥している人もいます。
まず、法的な観点から説明すると、歯科衛生士は歯科医院の人員状況に関係なくいつでも辞めたいときに辞める権利を持っています。また、歯科衛生士が辞めることで仮に損失を負ったとしても、それを従業員に負担・請求させることはできません。人手が足りないのは歯科医院の管理義務違反となるためです。
歯科衛生士を辞めたい人は「円満退職よりも転職活動に支障がない」ことが大切
歯科衛生士を辞めたい人の中には「円満退職」を希望する人もいます。もちろん誰も不満に思わない退職であれば言うことはないのですが、院長・副院長の性格や職場の雰囲気から「円満退職は無理っぽい」と考えるに至るのであれば、円満退職にとらわれずに1日でも早い退職を実現するのが良いでしょう。
円満退職にこだわっていると、退職日がずるずると延びてしまい、いつまで経っても転職活動ができません。すでに転職先から内定を受けて勤務開始日が決まっている場合は、必ずそれより前に退職日を設定して辞めなければなりません。
歯科衛生士におすすめしたい退職代行業者とその理由
話の分からない歯科院長が相手の場合、普通の退職代行業者だとなし崩し的になってしまい、一向に退職手続きが進まないといったケースも考えられます。
そこで歯科衛生士におすすめしたい退職代行業者が弁護士事務所「みやび」です。古くから退職代行の業界で活躍していて、一般個人を相手にしているため料金が5万円~と格安なのが魅力。また、民間企業の良きサービスを模範して、LINEチャットによる相談&依頼を受け付けているのも特徴です。
歯科衛生士や歯医者の退職代行実績も豊富なので、全国の歯科衛生士からの依頼を請け負うことができます。是非一度LINEで相談してみてください。
弁護士法人「みやび」は東京に本社を置き退職代行サービスを提供している法律事務所です。
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