雇用契約書と違うときの対処法|給与・勤務時間の確認と退職の条件

雇用契約書と違う!求人の条件と違う!退職の可否などすべて解説!

雇用契約書と給料・勤務時間・仕事内容が違うときは、「何を約束したか」「実際にどう違うか」「途中で変更したか」を並べることが出発点です。労働条件の改善や不足賃金の支払いを求める方法があり、明示された条件と実態が違う場合には、労働基準法15条による即時解除を検討できることもあります。

ただし、求人票との差、採用時からの相違、入社後の条件変更は同じ問題ではありません。自分のケースを分け、証拠の整理、会社への文例、返答が得られない場合の相談まで順に確認しましょう。

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雇用契約書・労働条件通知書・求人票と、違いが生じた時期を整理

雇用契約書は合意した内容を確認する書類、労働条件通知書は会社が条件を明示する書類です。兼用する場合もあります。書面に署名していなくても、合意によって労働契約が成立することはあります。「契約書がないから契約もない」とは判断しません。

まず分ける四つの場面
状況 確認すること 最初の行動
入社前に、求人と提示書類が違う 変更点、理由、変更の説明を受けた時期 採用担当へ修正・説明を求め、同意前に確認
働き始めたら、明示された条件と違う 採用時の条件と、実際の初回給与・勤務等 相違点を記録し、改善や契約解除の相談
入社後、減給や配置変更をされた 変更合意、就業規則、変更範囲と通知 変更の根拠を確認し、不利益変更等を相談
契約書・通知書をもらっていない 内定通知、メール、求人、口頭説明の記録 条件の明示・控えの交付を求める

求人の条件が選考中に変わること自体で、直ちに全件違法となるわけではありません。しかし「求人は見込みだから何を書いてもよい」わけでもなく、虚偽・誤解を招く表示や条件変更の明示が問題になります。求人票、面接での説明、内定通知、契約書の順に、どの時点で何が説明されたかを残してください。

2024年4月以降の労働条件明示では、就業場所・業務の「雇入れ直後」と「変更の範囲」も重要です。求人段階と契約時の明示を分けて確認します。出典:厚生労働省「労働条件の明示」・募集時等の労働条件明示。

給料・勤務時間・休日・仕事内容の違いを項目別に確認する

違いを確かめる資料と質問
違う項目 並べる資料 会社へ聞くこと
基本給・時給・手当 契約書、賃金規程、給与明細、勤務実績 適用単価、計算期間、日割り・控除の根拠
固定残業代・残業時間 基本給と固定残業代の内訳、対象時間、勤怠 対象時間を超えた分の計算と支払い
賞与・退職金 確約か実績表示か、支給規程、査定条件 支給条件、計算式、対象期間、支払日
始業・終業時刻 通知書、シフト、就業規則、変更通知 変更根拠と期間、実働時間・休憩の扱い
休日・勤務日数 休日規程、確定シフト、出勤・取消記録 休日の種類、振替・代休、休業手当等の扱い
仕事内容・勤務地 雇入れ直後と変更範囲、限定合意、辞令 今回の指示がどの条項に基づくか

「給与が違う」は額面・手取り・試用期間を分ける

月給と振込額は、税・社会保険料等の控除により異なります。まず給与明細の支給額・控除額を分け、基本給そのものが違うのか、欠勤や入社月の日割りなのかを確認します。試用期間の条件が別なら、事前に明示され合意した内容と照合してください。「試用期間だから」と後から説明するだけで、どんな減額でも認められるわけではありません。

例えば契約上の基本給25万円に対し、明細が基本給20万円・固定残業代5万円なら、総額が同じでも内訳の相違です。固定残業代の有無と計算方法を確認し、不足の判断を相談します。金額は説明用の例です。

賞与は「前年実績」と「支給の約束」を区別する

前年実績○か月という募集表示と、一定額を支払う契約上の約束は異なります。ただし、賞与は常に会社の自由で、約束を守らなくてもよいという意味ではありません。契約・規程・査定条件から支給義務を確認します。賞与等は定めがある場合の明示事項に含まれ、昇給・賞与・退職手当等には書面明示の扱いが異なる事項もあります。単に「契約書への記載は全部不要」とは整理できません。出典:厚生労働省「採用時の労働条件明示」。

休日出勤は一律25%増ではない

法定休日の労働は35%以上、法定時間外の労働は原則25%以上の割増が必要です。会社所定の休日すべてに法定休日の35%が付くとは限りません。月60時間を超える時間外労働は50%以上など別の条件もあるため、休日の種類と日・週・月の時間を確認します。後から代休を取っても、既に生じた割増賃金がなくなるわけではありません。出典:厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」。

シフトを減らされた場合は、確定前か確定後かも確認

「週3日程度」「週3日勤務」「確定したシフトを会社都合で取消し」は、同じ条件ではありません。最低勤務日数の合意、過去の実績、確定シフトと取消理由を並べます。使用者の責任による休業には平均賃金の60%以上の休業手当の問題があり、単純な月給の6割とは異なります。出典:厚生労働省「シフト制」(2026年6月改正資料を含む)。

相談前に、相違点と証拠を一枚にまとめる

「全部違う」では会社も相談先も確認しづらくなります。項目ごとに約束と実態を並べ、いつから違うか、何を希望するかまで書いてください。

項目:[基本給/勤務時間/休日/業務等]
約束した内容:[文書名・日付・該当箇所]
実際の内容:[日付・金額・業務の具体例]
違いを示す資料:[明細・シフト・指示メール等]
変更の説明や合意:[いつ・誰から・何を聞いたか/なし]
希望:[条件の是正/不足分の支払い/退職の相談]
次の期限:[支払日/出勤日/署名期限/回答希望日]

求人はURLと確認日が分かる形で保存し、契約書・通知書は全ページと添付資料を残します。電子契約は署名済み版や通知を、自分が正当に閲覧・保存できる方法で確保してください。口頭説明は日時・相手・内容を記録し、後で確認メールを送る方法があります。

証拠のためであっても、顧客情報や業務秘密を無関係に持ち出す必要はありません。アクセス権を失ったシステムに入らず、手元の資料から相談できます。不足資料があれば、何を会社に求めるべきか相談先に聞きましょう。

会社への確認・改善依頼は、違いと希望を明記する

まだ入社前で、求人や面接の説明と違う場合

ご提示いただいた労働条件について確認したく連絡しました。
[求人票/面接日]では[条件A]と伺いましたが、
[文書名]には[条件B]と記載されています。
適用される条件と変更理由をご説明いただけますでしょうか。
確認後に判断したいため、回答・署名の期限についてもご相談させてください。

内定承諾等により既に契約が成立している場合もあるため、「署名していないから自由に無視できる」とは考えません。入社を辞退したい場合も、相違と意思を記録の残る方法で伝え、契約成立や辞退の扱いが争われたら専門窓口へ相談します。

入社後、条件どおりに直してほしい場合

労働条件と実際の取扱いに相違があるため、確認をお願いします。
[文書名・日付]では[条件A]ですが、
[対象日/給与対象月]は[実態B]となっています。
根拠となる規程・計算内容と、是正の可否をご案内ください。
不足分がある場合は、金額と支払予定日も確認したいです。
[日付]までにご回答いただくか、回答予定日をお知らせください。

上司だけで回答できない項目は、人事・給与担当等にも確認します。口頭で直すと言われたら、適用開始日、過去分、支払日をメールで確認し、次の明細やシフトと照合します。文例の回答期限は法定の期限ではなく、状況に応じて自分が求める確認日です。

在職を続けながら条件の是正や不足賃金の支払いを求めたい場合は、下の目的別の相談先を確認してください。次のLINE案内は、退職の連絡・手続きで困っている方向けです。

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「会社の都合で変えられる」と言われたら、合意と規程を確認

労働条件は合意により変更できますが、会社が一方的に何でも不利に変えられるわけではありません。就業規則による不利益変更には、周知や合理性等の条件があります。一方「自分が署名していなければすべて無効」とも言い切れません。変更前後の規程、説明、本人への不利益、変更理由を確認します。

勤務地・業務には変更範囲や限定合意が関係します。「会社が定める業務」とある場合でも命令が無制限に認められるとは限らず、具体的な契約と命令内容の検討が必要です。転勤・担当変更を無断で拒否する前に、根拠と事情を示して相談してください。

変更書類への署名を求められたら、変更箇所・適用日・過去分への影響を確認し、控えと検討時間を求めます。賃金請求を放棄する条項や「一切異議を述べない」といった条項も見落とさないでください。出典:厚生労働省「労働契約」・配置転換の裁判例。

雇用契約書と違う場合、即日退職できる条件は?

労働基準法15条2項は、明示された労働条件が事実と違う場合に、労働者が即時に契約を解除できると定めています。働き始めて条件の違いが判明した場合等に検討する制度です。ただし、あらゆる不満、求人の期待との差、後日の変更に自動的に使えるものではありません。

「何を明示されたか」「いつ違いが分かったか」「その後どのような説明・合意があったか」を整理して、労基署や弁護士等に適用を確認します。長く異なる条件で働いた事情があれば、それも伝えてください。条件確認のために連絡することと、会社の許可がなければ解除できないことは別です。

15条による即時解除を行う場合の通知例

採用時に明示された[条件A・文書名]に対し、
実際には[実態B・具体的な日付]となっています。
この相違を理由として、労働基準法15条2項に基づき、
[日付]をもって労働契約を解除する旨を通知します。
未払いの賃金、貸与品の返却、必要書類の送付についてご案内ください。

上記は相違内容と適用を確認した場合の例です。メール・書面等の控えと到達状況を残し、連絡なしで出勤をやめることとは分けます。会社が争う場合は、通知と資料を専門窓口へ示してください。

15条の適用がはっきりしなくても、退職できないと決まるわけではありません。会社との合意退職、無期雇用の原則2週間の通知、有期契約の途中退職条件等を別に検討できます。出典:厚生労働省「退職・解雇」。有期契約は契約社員の途中退職も確認してください。

就業のため転居した人がこの即時解除後14日以内に帰郷する場合は、使用者の必要旅費負担が問題になります。どんな引っ越し費用でも全額請求できるという意味ではありません。採用時の転居、帰郷先、日程、費用の資料をそろえて相談します。根拠:労働基準法15条3項。

返事がない・改善しない・署名を迫られた場合の次の行動

会社の返答で手続きを止めないための整理
会社の反応 次にすること
求人は目安だと言われた 面接・内定・契約時の説明と変更通知を並べ、どの条件に合意したか確認
みんな同じだと言われた 自分に適用する契約・規程・計算根拠を求める
確認メールに返事がない 送信記録を添えて人事・担当責任者へ確認。回答予定日を求め、待つ間も相談資料を整理
来月直すと言われたが変わらない 約束の日付と明細・シフトを照合し、過去分の支払日も含め再確認
新しい契約へ今すぐ署名するよう要求 変更理由・控え・検討時間を求め、期限と書類を専門窓口へ共有
辞めるなら損害賠償と言われた 根拠・内訳・期限を文書で求め、支払い等を約束する前に弁護士へ相談

会社の返事を待っている間に、出勤・署名・請求の期限が来る場合は、その期限も相談先へ伝えます。無回答を自分の要求への同意とみなしたり、期限のある書面を放置したりしないでください。体調上働けない場合は、その日の欠勤等の連絡を条件交渉とは別に行います。

相談先は「条件の是正・未払賃金・退職」の目的で選ぶ

どこへ何を持って相談するか
窓口 相談内容と持参資料
労働基準監督署 賃金不払い・労働時間・明示義務等。契約、給与明細、勤怠、相違一覧
総合労働相談コーナー 配置転換・不利益変更等を含む労働問題。規程、通知、やり取り
ハローワーク・求人の紹介元 求人内容と実際の相違。求人番号・掲載内容・採用時の説明
弁護士 契約解除の争い、未払賃金請求、損害賠償等。希望する解決と関連資料

労基署へ相談・申告できることと、個人の代理人としてすべての交渉や回収をしてもらえることは別です。契約の民事上の争点は別の手続きが必要になる場合があります。最初の窓口で対象外と言われたら、どの争点が対象外かを確かめ、適切な窓口を確認しましょう。

賃金請求権の時効は、2020年4月1日以降に支払期日が来る賃金について、法律上5年に延長され、当分の間3年とされています。退職金請求権は従来どおり5年で、上記とは別扱いです。一律2年と考えず、各支払期日を確認してください。相談しただけで時効の進行が必ず止まるわけではないため、古い未払分は早めに対応方法を弁護士等へ相談します。出典:厚生労働省「賃金請求権の消滅時効」。

公的窓口は総合労働相談コーナーや労働条件相談ほっとラインから確認できます。退職代行等へ依頼するなら、意思伝達だけか、条件調整・未払賃金等の交渉まで含むか、担当主体と費用を確認してください。

雇用契約書と条件が違うときによくある質問

求人票と雇用契約書が違えば、必ず違法ですか?

選考中に条件が変更されることだけで、全件違法とは限りません。ただし、虚偽・誤解を招く表示や変更の明示が問題になります。求人、面接、内定、契約時の説明を時系列で確認してください。

雇用契約書がない場合も相談できますか?

できます。書面がなくても合意により労働契約が成立することはあります。内定通知、メール、求人、給与明細等の手元資料を整理し、会社に労働条件の明示と控えを求めます。

契約と違う仕事なら即日退職できますか?

明示された条件と実態が違う場合、労働基準法15条2項による即時解除を検討できます。ただし業務の変更範囲や後日の合意等も確認が必要です。相違と時期を整理して適用を確認し、連絡なしで出勤をやめることとは分けてください。

パートのシフトが契約より少なくなったらどうしますか?

最低勤務日数の合意、確定したシフト、取消理由、実際の勤務記録を並べます。会社の責任による休業には休業手当の問題もあるため、契約やシフトを示して労基署等へ相談してください。

退職すれば未払いの給料を請求できなくなりますか?

退職したことだけで賃金請求権がなくなるわけではありません。明細・勤務記録・支払期日を保存し、時効や署名書類の内容に注意して、請求方法を専門窓口へ相談してください。

違う項目を一つ選び、資料と希望する解決を整理する

まず、給与・勤務時間・休日・仕事内容のどれが違うかを一つ選び、約束と実態を並べましょう。まだ入社前なら同意前の確認、入社後なら条件の是正・支払い・退職のどれを求めるかを決めます。

会社から回答を得られない、期限が迫る、説明の根拠が分からない場合は、相違一覧と資料を持って相談できます。すべてを一人で法的に判断してからでなくても、分かっている事実から確認を始めてください。

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執筆・編集:退職代行ガイド編集部

2026年9月29日更新。厚生労働省等の資料をもとに労働条件の確認手順を整理しています。金額・文例は説明用です。個別の契約解除や請求の判断は、契約と事実関係を専門窓口へ示して確認してください。

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