過酷な仕事の代表ともいえる大型トラックの運転手。実際もやはり大変そうです。しかし、トラック運転手が仕事を辞めたい場合、多くの人がなかなか辞められないで困っている様子です。そこで、今回は仕事を辞めたいトラック運転手に読んでもらいたい、仕事の辞め方をご紹介します。
目次
トラック運転手が辞められない原因
トラックの運転手のようなガテン系の業界は、やはり労働環境は非常に劣悪であることが挙げられます。拘束時間・運転時間が長時間で昼夜逆転する仕事も普通です。また、先輩や上司、社長の中には暴言・暴力をふるうような人たちもいるので、パワハラに遭っているトラック運転手も普通にいます。
しかし、仕事を辞めたいと上司や社長に言うと、「根性がない」、「後釜探したら辞めてもいいよ」、「会社の備品のお金や、この前の事故の損害賠償、お前が払えよ」などと脅されることもしばしば。トラックの運転手の中には、労働法や民法の知識がない方が多いので、社長が退職届を受け取ってくれなかったら、いつまで経っても辞められないと思い込んでいる人が大半のようです。
トラック運転手をすぐ辞めたい人の背景にある「給料が低い」問題
国土交通省調べのデータによると、トラック運転手の平均年収は400万円。大型トラックで450~500万円が平均となり、中小型トラックで350~450万円となります。
1日の業務時間を鑑みると決して高い給料とは言えず、トラック運転手が「稼げる」と呼ばれている所以は、拘束時間が長いためお金を使う暇がないからという背景があります。
若いうちは長時間労働も我慢できるかもしれませんが、配偶者や子供を持ったり年を重ねていけば、「この給料と業務時間で将来も働き続けるのは想像できない」と考えるに至ることでしょう。
トラック運転手が1か月ですぐ辞めたいと思う大きな理由「横乗りいじめ」が横行
横乗りいじめなどすでに昔のことかと思いきや、いまだ見受けられるブラックな会社も少なくありません。
横乗り期間は入社1週間から1か月程度ですが、年齢が若かったり、道をなかなか覚えられない・運転技術が荒いといった場合は、さらに数か月横乗りが続くこともあります。
横乗りする先輩が非常に厳しい人の場合、1か月もたずに「明日から仕事に行きたくない」といった精神状態になってもおかしくありません。
もちろん職場の上司や所長、社長に相談できる環境であればいいのですが、実際は難しいでしょう。
横乗りいじめの定番は道を教えてくれなかったり、間違えただけで激怒されることですが、基本的にいまはスマホのナビアプリを使うことが多いですし、仕事スキルが身に付くタイミングは人それぞれ。横乗りいじめを許している会社は辞めた方がいいかもしれません。
トラック運転手には向き不向きがある
トラックの運転自体は車の教習を受けることで何とかなるものです。小型トラックは住宅街だとぶつけてしまうこともあるかもしれませんが、自分だけではなく先輩たちもみんな一度や二度は通る道と言えるでしょう。
しかし、「怒られたらひどく落ち込む人」や「時間にルーズな人」、「単純作業が苦手な人」、「注意が散漫になる人」、「独りでの仕事が嫌いな人」、「独りだとサボってしまう人」など明らかにトラック運転手に向いていない人も実際にいます。
トラック運転手を辞める理由は何がおすすめ?
トラック運転手を辞めたいときは、先輩上司、社長に報告する必要がありますが、どのような理由であれば辞めることができるのでしょうか。
- 身内の事情で引っ越ししなければならない
- 医師からうつ病・適用障害と診断された
- 実家の後を継ぐ
上記の理由であれば、会社側はなかなか引き止めることができません。ただし、引っ越し先の住所を聞かれたり、診断書を見せろと言われたり、実家に電話されてしまうと、これらの理由も嘘と見破られてしまいます。
トラック運転手を辞めたいけど辞めさせてくれない人が増加中
上記で説明したように、トラックの運転手を辞めたい人は数多くいます。しかし、会社からの引き止めや先輩上司のパワハラによって、辞めたいけど辞められない状況に陥っている人も少なくありません。
退職届を出しても上司が受け取ってくれなかったり、「今月で辞めるんなら給料は出ないよ」、「有給は使えないからね」と労働法に違反していることばかり言ってくる人も多いです。
トラック運転手のバックレは危険!無断退職はどんなリスクがある?
今すぐ仕事を辞めたいと考えているトラック運転手の中には、「ぜんぜん辞めさせてくれないから明日から会社行くの辞めよう」と勝手に仕事をバックレてしまう人もいます。しかしながら、それは絶対に避けるべきでしょう。
トラック運転手となる従業員が会社をバックレると、会社としては当該従業員の退職の手続きを進めることができません。なぜなら、不慮の事故に遭ったり、事件に巻き込まれて連絡が取れない状況にある可能性も考慮しなければならないからです。
社会保険の脱退手続きや離職票の交付手続きなどもありますが、トラック運転手がバックレるとそれが滞りますので、トラック運転手はハローワークで失業保険を受け取ることもできませんし、転職活動にも支障が出ます。
実はトラックの運転手もこんな簡単に辞められる!辞めたいときはすぐに実行!
トラックの運転手はれっきとした「労働者」となるので、日本の憲法と法律によって手厚く守られています。例えば民法には以下の条文があります。
民法627条
民法電子版(総務省)
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
こちらは俗に言う「退職2週間ルール」と呼ばれるもの。上記の法律では、「正社員として働く労働者は、退職を申告してから2週間後に辞めることができる」とあります。つまり、トラック会社の上司や社長がいくら「辞めさせない」と言ってきても、それはまったく意味がないということです。もっと言うならば、会社側はトラック運転手の退職の申し出を断ることはできないということです。もしトラック運転手の退職届を突っぱねてしまったら、それは強制的に働かせているのと同じなので、憲法違反となり思い罰則が会社側に課せられます。
つまり、トラック運転手は、辞めたい日の2週間前に退職届を出すことによって、事実上退職したのと同じ扱いになります。
残業手当や退職金の請求もしっかりできる
トラック運転手は労働法に守られているため、仕事を辞めるときに未払いの残業代を申請することもできます。また、退職を申告してから2週間の間は有給休暇を申請して会社に行かないことも可能。「え?有給休暇?この忙しいときにとれると思ってるの?」と会社から言われるかもしれませんが、こちらも退職と同様に、有給休暇は従業員の義務となるので、会社側は拒む権利はありませんし文句を言うこともできません。
また、会社が退職金制度を設けていたら、その規定に基づき退職金をしっかりと受け取ることもできます。「この忙しいときに勝手に辞めるやつに払う退職金なんてないよ」と言われそうかもしれませんが、こちらも法的には違法。会社側は必ず支払わなければなりません。
強く出る勇気がない場合は退職代行へ。トラック運転手も辞めたいときに辞められる!
とはいえ、怖い上司や社長に「トラックの運転手を辞めたいです」とはそうそう言えるものではありませんね。そこでおすすめしたいのが「退職代行」の利用です。退職代行とは、トラックの運転手に代わって代行の人が職場の社長に退職手続きをとってくれるサービスで、民間の業者と弁護士に依頼することができます。民間業者は料金は安いですが、トラック会社のような社長が高圧的に出てくることが予想される場合は、弁護士に依頼するのがおすすめです。弁護士の方が割高ではありますが、高いといっても2万円程度ですし、有給や退職金などの金銭交渉は民間業者ではすることができません。
本当に簡単に辞められるの?残業代は?その後はどうする?
もし弁護士の退職代行に依頼して、「今月末でトラック運転手を辞めたいです」とお願いすると、翌日か翌々日にはトラック会社に連絡してくれて退職の手続きを取ってくれます。もし辞める退職日まで仕事に行きたくないのであれば、有給休暇の申請手続きも依頼しておきましょう。また、未払いの残業代やパワハラの賠償金なども、証拠を事前に揃えておけば請求することができます。
退職代行を利用するほとんどの人は、有給休暇を申請して会社にはもう行きません。「うちの会社有給休暇なんてないって言われたけど」という人もご安心ください。上述したように、有給休暇は労働法によって決められていますので、必ず取得することができます。また退職後はすぐに転職しない場合はハローワークで失業保険の手続きをすることができますが、その際に必要な離職票も弁護士の退職代行であれば、きちんと発行の手続きをしてくれます。
トラック運転手におすすめ!LINEで無料相談&依頼ができる退職代行業者はココ!
今すぐ仕事を辞めたいと考えているトラック運転手の多くは、退職代行業者や弁護士事務所に足を運ぶ時間も体力もないでしょう。
そこでおすすめしたいのが弁護士事務所「みやび」。全国対応可能なほか、LINEのチャットで無料で相談・依頼できるのが特徴です。
弁護士のためトラック会社がどんなに理不尽な要求をしても突っぱねることができますし、場合によっては賠償請求をすることもできます。
弁護士法人「みやび」は東京に本社を置き退職代行サービスを提供している法律事務所です。
「無料LINE相談」、「即日対応可」、「転職サポート」、「残業代・退職金・慰謝料各種請求」に対応。退職代行の利用は基本料金5万5000円(税込み)と一般企業並みの安さも特徴。
トラック運転手の辞めたあと。転職先や業界はどこが多いか
トラックの運転手が仕事を辞めたあと、転職先となる業界はどこが多く、またどこがおすすめなのでしょうか。
実はトラックの運転手が辞めたあとの転職先・業界はさまざまです。一昔前まではタクシー・クレーン、倉庫業などが多かったですが、昨今は営業職に魅力を感じる人も増えてきました。
トラック運転手という過酷な業務を続けていたためか、営業職は自分に合っていると感じる人は少なくないようです。
また、独立心が高い人は、個人事業主となって軽貨物の業務委託契約を配送業者と交わす人もいます。昨今はマイカーさえ持っていれば簡単に業務を引き受けることができますし、優良の業者から仕事を請け負えることができれば、残業も少なく、大幅な年収アップを望むことも十分可能となります。
トラックの運転手は過酷!辞めたいときは自分の心に素直に従おう
トラックの運転手は本当に過酷です。そのため、我慢して働き続けていると、次第に心が病んでしまうこともありますし、それが運転中の重大な事故に繋がることもあります。そのため、もし心から辞めたいと考えるのであれば、素直に自分の心に従うのもいいかと思います。
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