派遣と常駐、出向の違いを解説!退職するときは注意が必要

派遣と常駐、出向の違いを解説!退職するときは注意が必要

あまり深く考えたことはないけれど、「派遣」と「常駐」、「出向」の違いは分かりますか。業務する上ではもちろん、退職するときも、実はこの三者の違いは重要となってきます。ここでは、派遣と客先常駐、出向の違いと業務上及び退職する上での押さえておくべきポイントをご紹介します。

派遣社員の命令・指示系統と有給休暇の消化

派遣社員の命令・指示系統と有給休暇の消化

派遣社員の方は、どこが勤務先になろうとも、労働契約は派遣元の会社と行うことになります。ただし、指示系統は派遣先となりますので、勤務場所の教育係や先輩上司の指示に従って、日々の業務に取り組むことになります。

しかし、有給休暇を使う場合は、労働契約を結んでいる派遣元からの取得となりますので、まずは派遣先(勤務先)に休みたい日を告げて、その上で派遣元の会社に有給休暇の申請をするとスムーズとなります。

派遣社員が退職するときのポイント

派遣社員が退職するときは、こちらも労働契約を結んでいる派遣元に退職したい旨を伝えることになります。ここでよくある質問ですが、派遣先(勤務先)の上司から「いま辞められると困る」と言われ、さらに派遣元からも「いま辞めたら損害賠償を請求する」などと脅されるケースが稀に見られますが、実際、退職するに当たって、派遣先や派遣元は派遣社員を引き止めることはできませんし、派遣元は責任を持って代わりとなる派遣社員を速やかに派遣先に送る必要があります。

また、退職する際は契約更新が一番ですが、家庭の事情などやむを得ない理由があれば、派遣元は退職届を受理しなければなりませんし、引き止めることは違法に当たります。

出向はほぼ勤務先の社員。労働契約や有給休暇の消化方法

出向はほぼ勤務先の社員。労働契約や有給休暇の消化方法

一方で出向の立場で勤務する場合、まず指示系統及び命令はすべて出向先にあります。ちなみに労働契約は出向元と出向先の両方で結ぶことが普通となり、どちらかというと、出向の場合は勤務先の社員とほぼ同等に扱われます。派遣社員の場合は、派遣先の正社員になることは難しいですが、出向の場合は勤務先の上司や人事と話した上で、正社員雇用してくれる転籍出向も普通にあります。出向の場合は一般的に勤務期間が1年以上が普通となるので、出向先の上司も、よく相手の仕事振りを確認した上で社員にするか決めることができるので、安心できるようです。

出向社員が退職するときのポイント

一方で出向社員が退職するときは、大元である出向元に退職する旨を告げ、出向元の方から出向先に退職の意向を伝えるのが筋となります。ちなみに、出向元と出向先で労働条件や就業規則が異なる場合は、出向先(勤務先)の方が優先されます。

客先常駐(SES契約)の命令・指示系統と有給休暇の消化

客先常駐(SES契約)の命令・指示系統と有給休暇の消化

最もトラブルが起きやすい客先常駐(SES契約)は常駐先とSES企業の間で「請負契約」か「準委任契約」を結び、それに基づいて客先常駐先にて勤務をします。命令・指示系統はSES企業にあり、常駐先は命令することができないことが、出向や派遣とは異なる点となります。仮に命令を受けた場合は、偽装請負の可能性が出てきて、重大な違法行為となりますので、即刻所属しているSES企業に報告してください。

また、有給休暇の取得は最初に常駐先に伝え、その後所属しているSES企業の方に申請するのがおすすめです。

客先常駐(SES契約)で退職するときのポイント

客先常駐(SES契約)で退職する際も、基本は出向と同じように、所属するSES企業に退職届を出すことになります。よく「契約期間中だから退職できないよ」と言われるトラブルが発生しますが、こちらも出向と同様、しっかりと退職する理由を告げれば、契約期間中でも退職することができますし、常駐先も含めて引き止めることはできません。

派遣・客先常駐、出向の違いを明確にして、速やかな退職手続きを

派遣・客先常駐、出向の違いを明確にして、速やかな退職手続きを

派遣・客先常駐、出向は明確な違いがありますが、勤務先はその垣根を越えて違法な指示・命令をすることがよくあります。また、退職時のトラブルも度々発生するので、法律を分かっていないと、勤務先や所属元の言いなりになってしまいがちです。まずは自分が派遣・客先常駐、出向のどれに該当するかを確認することからはじめましょう。

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